ポーランド旅行記:5日目
阪急交通社ツアー「おひとり様参加限定:決定版ポーランド8日間」にて–2019年11月–
もっと奥に進むと・・
ヴィエリチカ岩塩坑の見学
ここは世界遺産「ヴィエリチカ岩塩坑」の中。見学ツアーで中に入り、地下約100mの場所にある、一番豪華な部屋の「聖ギンガ礼拝堂」。ここの壁などの装飾は全て岩塩を削ったものなのです。
聖ギンガ礼拝堂の間
ポーランドはカトリックの国なので、こんな巨大な岩塩坑内部にも数か所に渡って礼拝堂を築いています。
復活前のキリスト像。日本ではあまりキリスト教に馴染みが無いから、キリストが生まれたクリスマスが一番のハイライトでお祭りになっているけど、ヨーロッパではキリストが復活したイースターが一番のイベントなのです。
こちらはそのキリストが十字架磔刑で亡くなった3日後に復活した場面。みんな死んだはずのキリストが復活して、それを信じられずに戸惑うシーン。
そんな弟子たちの中で、一番疑い深い”聖トーマス”に磔刑の後に生死を確かめさせる為にローマ兵(ロンギヌス)が槍で突いた傷跡を触らせます。そしてその脇腹の傷を触った聖トーマスが「確かにこれは先生の傷!」と認めるシーンがこれです。
礼拝堂内部の景色 動画
ガイドさんが説明してくれていると、先に来ていた他の観光客が居なくなり、この礼拝堂はボクらの貸切状態となる。
奥でここの専門ガイドのお姉ちゃんは一休みして、スマホを触っていたね。。
こちらの日本人ガイドの弓子さんは、ガイド歴が長く、お喋りも上手なのでツアー参加者さん達も惹きつけられているご様子。
やっぱり現地ガイドさんは日本人の方がお喋り内容が聞き取り易くて、いいですよね。
ヨーロッパのこの地方もカトリックとプロテスタントが争った地域だけど、今ではなんとかそれなりに共存できているようだ。
キリスト教に興味の無い人間からすると「本当にキリストさんは実在したの??」と思ってしまう。でも彼ら信者からすると「そもそも地球を創り出したのは神であるキリストで、今生きていられるのもキリストのおかげ」という考えなのだ。
床には綺麗にタイルのように敷き詰められているのも、これも全てこのヴィエリチカ岩塩坑で採掘された岩塩である。
弟子に裏切られたとあるが、そりゃ沢山弟子が居れば何人かは背信する人間もいるわな。。
弟子の裏切りにより死罪に処されるキリストだが、全能の神であっても裏切りを回避する事は出来なかったようだ。
こちらの岩塩で造られた像も、もはや今のポーランドでは神格化されている英雄。
すっかり誰だか覚えましたよね?!
この聖ギンガ礼拝堂でこれだけ彫った3人の坑夫のプレート。彼らは元々は単なる坑夫で、彫刻家とかではなく芸術関係の仕事を以前にした訳でもない。そんな彼らが数十年の歳月を掛けて、造り上げた空間であった。
そんなヴィエリチカ岩塩坑でも素晴らしい場所を見学した後は、再び歩きだします。
2001年には教皇となったヨハネパウロ2世もここを訪問しています。ポーランドの名だたる人物が訪れているヴィエリチカ岩塩坑。
まさにポーランドを代表する場所になって、その歴史を併せ持つ場所でもあるのです。
バロンチの間
奥の部屋には湖が見えてきた。勿論ここは塩水なので塩湖になる。
意外と綺麗な湧き水が溜まっていた。一番深い場所は9mもあるらしい。ガイドさんが「もしここで泳ぎたい人が居たらどうぞ!」って言ってたので、一瞬泳ぎたくなった。ヨルダン&イスラエルにある、同じような塩湖の死海を泳いだ事はあるけど、ここで泳ぐ人間は殆どいないハズ。
この手前の塩湖の底で光っているのはコイン。みんな幸せを祈って、どこでもこうやってコインを投げ入れるみたい。
19世紀にこの辺りも造られたようだ。
ここは塩分濃度が高いので、大半の生物はこの塩湖内では生きてはいられないのである。
このヴィエリチカ岩塩坑内には病院というか、診療所がある。岩塩坑の中では地上とは違って、空気中にナトリウム・カルシウム・塩化マグネシウムなども含まれているそうで、この空間に滞在するだけで体にいいらしい。
この岩塩坑内での治療というのはこのヴィエリチカ岩塩坑が初めてで、それを真似して他の国の岩塩坑でも内部に病院を設置する所が出てきたのである。
右側のマークはここのシンボルマーク。これだけ巨大な坑道や部屋も全て先人達が手で掘ってきたのである。それだけの歴史をここに来ると感じる事が出来る。
ただ約700年の歴史があるこのヴィエリチカ岩塩坑だけど、全然そんな古さを感じられない場所でもある。定期的に補修などをしっかりと行っているのだろう。
岩塩坑内の作業も時代と共に段々と機械化されていった。通路の途中にはこのような、ボタンを押すと動くギミックが用意されている。
作業案内の模型 動画
昔は人力や馬の力で岩塩をソリで運んでいたが、段々工業化の波はここにも及んできたのだろう。
700年の歴史があると、最初の頃と最後の頃では全然採掘にしても運搬にしても、やり方が変わっているのだろう。
ここの間には何故か、恐竜の頭が端っこに設置されていた。ここまで来ると、既にヴィエリチカ岩塩坑とは全然関係ないものが・・・。
これだけ深く掘っても、地盤が岩塩で崩れないのかな?! ちなみに壁を補強している木が白い訳は、少ない光量でも明るく見えるようにという工夫。
それにしてもこの岩塩坑内の全長は約300kmに及ぶらしく、いくら歩いてもゴールが見えないような感じがする。だけど観光用コースはそんな300kmを歩くのではなく、たった2.5km程だけ。
ここで階段を登りますが、そこまで大変なアップダウンはありません。
ミハウォビツェの間
こちらの間にはエレベーターが使われていなかった時代に、ここの階段を使って歩いて降りてきていたという。
そんなこの間には崩れないようにこれだけの木枠が設置されていた。
さすがにここのシャンデリアは塩の結晶で造られている感じはしなかったね。。
個人的には岩塩坑内の見学は、一切エレベーターを使わずに歩いて降りて行きたかったけど・・・。ただ他のツアー参加者さん達に多数決を取ったら、間違いなくボク以外は全員エレベーターを選択するだろうが。。
時には国の約30%の利益を占めていた、このヴィエリチカ岩塩坑。それだけ昔は塩に対して価値があったようだ。ただ当時は塩と金は同じ価値だった為に、塩を全部金に変えていたら今頃はもっと儲ける事が出来ていたのだろうが。。
ドロズドヴィツェの間
次の間は地下とは思えない位に改装されています。この部屋は20世紀にリニューアルしたようです。
こんな地下100m以上の場所で、こんな売店があってコーヒーとかも飲めるようです。
ヴィエリチカだけあって、色んな岩塩関連グッズが置かれています。女性の皆さんはそろそろお土産物タイムを楽しみにしているように見えました。
ここの上も白い木で木組みがされています。
ここを掘った人達の像かな?! ここの部屋では展示会やコンサートなども行われる場所みたい。道理で綺麗な訳だ。
そしてこちらの部屋にはトイレも設置されています。という事でここでトイレタイムです。勿論ここではトイレは無料です。
こちらはドイツの詩人である「ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ」(Johann Wolfgang von Goethe)の像。ゲーテと言えば聞いた事ある名前だけど、彼もここを訪れた事があるみたい。
地下のトイレの中は・・・
そんな地下約100m程の位置にあるトイレに行ってみます。
こんな地下にあるトレイにも関わらず、このようにそこら辺のトイレと全く同じ。
しかも何の問題もなく水洗トイレです。これには思わずビックリします。
さすが21世紀という感じですね!
この様子はまた次回に続きます!
↓↓↓↓ポーランド旅行記:初回↓↓
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