ポーランド旅行記:5日目
阪急交通社ツアー「おひとり様参加限定:決定版ポーランド8日間」にて–2019年11月–
更に奥に進むと・・
ここはポーランドで最も古い岩塩坑がある、南部クラクフの南側にあるヴィエリチカ。世界遺産になっている岩塩坑内を巡るツアーに参加しています。
ヴィエリチカ岩塩坑内の見学
ここからは下に降りる階段が続きます。17世紀頃に造られた階段のようで、結構下まで降りて行く必要があるようです。
ピスコヴァ・スカワの間
昔ここで働いていた鉱夫達は毎日この階段を何回も昇り降りしていたのだろう。
階段を降りて行く 動画
その階段を降りて行くと、ブロツワフじゃないけど、ここにも小人像があるとか。
この辺りは17世紀頃に造られた場所で、こちらは小人というよりは妖精の像みたい。
この妖精像は20世紀初頭に造られたものだという。ブロツワフのように観光客向け用の像ではあるが、ちょっとコッチの像は遊び心がないような気がするけど・・・。
その先に進むと、地下で湧き出た水の排水路があります。この水溜めのフチを見ると塩の結晶がこびり付いています。
試しにこの水を舐めてみたら、めちゃくちゃショッパかったです・・・
地下の排水路の様子 動画
湧き出る水はこちらのギミック人形の動きで分かるように、このレバーを回して汲み上げていたみたい。
この岩塩坑はどんどんと下に向かって掘っていく場所なので、湧き水の扱いを下手にしてしまうと致命傷にもなりかねないものだったのだろう。
地下の排水路の様子 動画2
クネグンダの間
こちらは19世紀に造られた部屋。ここでも当時ここで働いていた人達を再現した人形などが配置されている。
ここにも数体の小人や妖精の像が置かれている。
ここで岩塩を運んだり、採掘していたりする妖精たち。17世紀から観光用としても岩塩坑を使い出したので、あちらこちらに観光客を楽しませるオブジェが設置されていて、意外と手の込んだ場所である。
それぞれの間には名前があり、それぞれにこのように名前が書かれているプレートがある。上側はポーランド語、下は英語にて。
この通路は木材は使用せずに岩塩だけを掘っただけの通路でした。
聖十字架礼拝堂の間
クネグンダの間を進むと、次はまた礼拝堂が見えてきた。ここは19世紀に造られた部屋。
17世紀頃に造られた木造のイエスキリスト像。
ここはキリスト教の礼拝堂なので、男性は着帽していると帽子を脱がないといけません。
礼拝堂のキリスト像の向かいには、聖母マリアの像が置かれている。
1860年に造られた、この礼拝堂。ちなみにこの礼拝堂は移動式だったようで、設備を近くの部屋に移動できたようだ。
この岩塩坑内で作業していた人達は、こんな地下の奥深い底でも祈りを欠かさなかったようだ。ただ岩塩を加工した像が多かったヴィエリチカ岩塩坑だけど、移動用だったのでここだけ木造の像だっただろう。
そしてこの通路を抜けた先には「これが岩塩坑内にあるのか?!」と思う位の景色が、目の前に広がるのである。
聖ギンガ礼拝堂の間
なんと地表から100メートルも下の岩塩坑の中に、これだけ広く、これだけ明るく、これだけ装飾された壁に囲まれている空間があるとは想像も出来なかった場所。。
礼拝堂広間の様子 動画
この部屋の入口付近からはあまり分かりませんが、壁の装飾は全部岩塩を彫って行われたものなのです。
そしてこの光り輝くシャンデリアも岩塩で出来ている品物のようだ。勿論発色する部分は流石に岩塩ではないけど。。
階段を降りて行く途中の壁には、このような像が人の手によって彫られているのである。
ちなみに光が反射して見える床も、すべて岩塩そのままである。この聖ギンガ礼拝堂の広さは、長さ約54 m/幅約18 m/高さ約12 m。これらの空間は全て人力で掘られたものなのである。
こちらは聖バルバラで”救難聖人”に数えられる聖人で、鉱山など危険な場所で働く人達の守護聖人である。まさしくこのヴィエリチカ岩塩坑に適した聖人が祀られているのである。
この聖ギンガ礼拝堂の壁は、専門とする彫刻家ではなく、この岩塩坑を彫っていた3人の坑夫が岩塩を約70年の歳月を掛けて完成させたもの。
そんな壁には主に新約聖書に書かれているストーリーが彫られているのである。
新約聖書の話って、絵画などではよく目にするけど、こういった彫刻になったものはあまり見かけないと思う。それも一場面だけではなく、大量に彫られているのにも驚く。。
塩のシャンデリアだけど、どこまで塩で造っているのかな?
このシャンデリアは普通のシャンデリアっぽいように見えるような・・??
床のタイルも規則正しい感じで配置されているように見えるけど、岩塩をはめ込んだものなのか、それとも表面に筋を入れて規則正しく見えるように作ったものなのか?
上のアーチ部分に見えるのは、ボクらの世代だとキリストというよりかは「スーパーゼウス」(ビックリマンシールの)に見えるような。。なお、ここに置かれている像は全て岩塩を彫ったものなので、光を当てると石と違ってその光が像に透き通るのである。
こちらは幼子イエスを連れて、ヨセフと共にベツヘレムからエジプトへ脱出する際の様子を描いて彫られている。
こちらは有罪判決が下りた後、死刑執行までの道で十字架を担いで歩くイエスキリストが途中で躓いた時に、彼を手助けしたシモンの様子。こういった像を彫っている時に、もし失敗したらどうしていたのだろうか?
もしかしたら失敗する度に一回壁を削って作り直していたのかも?ある壁だけ凹んでいたら、実はそういう裏事情があったのかも??
よく教会や大聖堂に置かれている像は光らないけど、岩塩で造られた像だけに逆にこのように光らせる事ができて、こっちの方が神秘的に見える。
こちらの彫刻の精度は一段と細かい。たぶんここを彫った3人の中でも一番几帳面な人が仕上げたのだろう。
このヴィエリチカ岩塩坑内には合計40個を超える礼拝堂があるようだけど、ここが一番広くて豪華。金キラな祭壇よりもこういった地味な塩で造った像などと、それらが部分的に光っている方が雰囲気があるように見える。
こちらのキリスト像も岩塩で造っているだけあって、塩の結晶上に造られている雰囲気を上手い事出している。
この礼拝堂は、このヴィエリチカ岩塩坑が発展した元になったギンガ王妃(その後は聖人になった)に捧げた場所。
地上から101mの深さにある、この礼拝堂。昔の人達に祈りは欠かせなかったのだろう。
こちらは最後の晩餐の準備をしている所かな?? イエスがワインを調達してきたかのようにも見える。。
岩塩で造ったからこそ、こういったライトでの装飾が出来るのだろう。
だけど下に見える電源コードは上手い事、隠して欲しかったな・・
そして、料理の準備が出来た最後の晩餐?!
さてこの中で、裏切り者であるユダがどこにいるか、分かりますか??
こちらの彫刻作品はレオナルド・ダ・ヴィンチ作の絵画をモデルにしているような構図です。「最後の晩餐」はキリストが人生最後の食事を食べているイメージが強いけど「このメンバーの中に裏切り者が居る」と告白したシーンを示しています。
その話を聞いた弟子たちは皆キリストの方に乗り出して、裏切り者が誰かを聞こうとしました。しかし彼は答えずにユダにパンを手渡します。実はこれがキリストからの合図で、この作品の中ではキリストから左に3人目のちょっと腰を引け気味にして右手で袋を握っている人物がユダとされています。
実はユダヤ人から銀貨50枚を貰った袋を握りしめていたとされています。それでキリストを売った訳ですが、こんな食事の時にお金を握りしめながら料理を食べようとしていたのか?!
あくまでもこの絵はレオナルド・ダ・ヴィンチの創造力の賜物であります。そんな絵画の名作をこのような彫刻にして、それを立体にして見るというのも、このヴィエリチカ岩塩坑の聖ギンガ礼拝堂のこの壁でしか見れないと思います。
それにしても、ここを彫った人達の執念を感じる場所です!
こんな様子はまた次回に続きます。
↓↓↓↓ポーランド旅行記:初回↓↓
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