中華民国が誇る中国4000年の芸術作品が山のように集まる故宮博物館-台北周遊旅行記5

【充実の台湾北部周遊3日間】2日目

【阪急交通社(トラピックス)ツアー】2019年9月6日~8日

 恐るべし故宮博物館!

台湾の2日目の朝、ここは「一樂園大飯店(ONETEL)ホテル」の朝食バイキング会場。台湾ではどんなバイキング料理が置かれているのかと少々楽しみにしていましたが・・・。

 

個人的には予想外にあまり食欲の向かない料理が置かれていました。安っぽいビジネスホテルに一応付いているという感じのような朝食でした。余りにもガッカリしたので、いつもは沢山置かれている食事の写真を撮るのだけど今回は全然撮りませんでしたね。。

 

朝食後バスに乗り込み、今日はまず故宮博物館に向かいます。そしてバスの中で初日空港から出迎えてツアーに同行していた”ジャッキー・チェンもどき”の常にニコニコ笑顔をしていた50歳位のオジサンから集合記念写真の販売が行われました。

最初は「この人、誰かな?!」と思っていたけど、カメラマンであった事が判明。後でツアーの案内書を見てみると


【台湾のツアーでは、バスの車内でバス会社のスタッフが車内販売を行う場合があります。尚、ツアー中のショッピング店でのお買い物及びバス車内でのお買い物につきましては、お客様ご自身の責任において商品をお買い求め下さいます様お願い致します。】

【行程中、販売用に写真撮影を行う場合がございます。希望されないお客様は、現地にて事前にお申し出下さい。】


と書かれていた。。

 

昨日の龍山寺と忠烈祠で撮った集合写真。さすがにプロのカメラマンが撮影してくれたので綺麗な写真の仕上がりとなっていたが、お値段は1枚1,000円と”いいお値段”でした。なお2枚セットで2,000円という事で我々はパス。その代わりに写真の写真だけを撮らせてもらいました。他の人達は意外と購入していて、7セット程売れてました。

ただ我々が買わないと言った時にこの”ジャッキー・チェンもどき”の常にニコニコ笑顔をしていたカメラマン・オジサンが一瞬悪い顔をして、何かをブツブツと言っていたような・・。

 

そんな常にニコニコしている顔の裏には、それなりの事情があると分かったバスの車内から昨日前を通った高級ホテル「圓山大飯店ホテル」を見ながら故宮博物館に向かいます。

 

  国立故宮博物院に到着!

ホテルからバスに20分程乗ると、台北の観光なら絶対コースに入る「国立故宮博物院」に到着します。事前情報を殆ど入れていなかったので「何で白菜や角煮の置物があるのかな?!」と思っていたこの時。


【国立故宮博物院】


中国歴代の皇帝たちが集めてきた至宝の数々が収められている博物館。”世界四大博物館”の1つとして呼ばれているという。ちなみの他3つはフランスのルーブル美術館とロシアのエルミタージュ美術館とニューヨークにあるメトロポリタン美術館である。ルーブル美術館とエルミタージュ美術館とメトロポリタン美術館はまだ訪れていないので、今後の目標が出来たかな?!

 

館内に入ると、観光グループ毎にガイドレシーバーが渡されます。多くの観光客団体が訪れて、それぞれに自前のガイドレシーバーを使うと混線する可能性があるので、用意されている物を使うようです。

 

ガイドレシーバーを配布するコーナーにはスタッフさんも大勢いる。それだけ多くの団体が訪れる場所のようで、年間600万人前後が訪れるようだ。

 

こちらの貯蔵品コレクションは蔣介石が中国本土から台湾に運んだもの。元々は中国本土で保管されていたのだが、国内紛争で政情が不安定になり、逃げる時に一緒に持ち逃げしたようなもの。

 

ここのコレクションは総勢65~70万点も置かれているそうだが、常時展示は約3,000~6,000点前後。ただ中国本土の美術館から持って来れたのは約22%程だそうが、それでも選りすぐりの逸品ばかりを優先して持ってきたようだ。

 

故宮博物館内はフラッシュは禁止ですが、写真撮影自体はOKです。ただし自撮り写真や三脚の使用は禁止となっています。

 

人気のお宝の1つでもある「肉形石」は残念ながら台湾を訪れる数日前に、他へ移動されていて見る事は出来ませんでした・・・。

 

入場してまずは階段を登っていきます。

 

半階の壁には故宮博物館:動物園の広告が描かれていました。と言っても本当に動物が集められている訳ではなくて”動物の絵が描かれている絵”が多く展示されているだけなんですが。。

 

 

  国宝「毛公鼎」の展示

まず最初に見学する至宝、こちらの壁に描かれていてまずはその説明を聞きます。

 

こちらが国宝に認定されている「毛公鼎」で約2800年も前に造られた物と推測されている。「中国3000年の歴史」ってよく言われるけど、この故宮博物館を訪れるとその言葉の重みを思い知る瞬間でもある。

 

3本足と2つの取っ手の形で、内側には32行500文字の銘文が刻まれている。これは世界で最長の銘文だという。当時の情勢の不安定さが分かる文章なども刻まれているようだ。

 

そんな至宝を目の前に、スマホの撮影合戦が始まる。みんな「我先に!」とばかりに展示物の前に押し寄せる。人によっては一枚で終わらずに何度も撮影したりと、写真撮影の仕方もそれぞれ。

 

こちらが世界で最長の銘文が刻まれている内側。中国文化の凄さは約3000年前にこういった物に絵で歴史を残したのではなく、漢字で歴史を刻んでいる所だろう。

 

高さは約53cm、口径約48cmの至宝。外側じゃなくて、内側に文字が刻まれている。

 

そしてそんな3000年前の文字が読み取れて、内容が分かるというのだから考古学者の研究熱心さにも驚く。

 

こちらは「追簋」と呼ばれるもので蓋が付いている食器。こちらにも7行60文字の銘文が刻まれている。

 

西周晩期紀元前771年頃に造られた青銅器。この頃の青銅器に銘文が刻まれている理由は、劣化しない材質に文字を刻み子々孫々の代まで皇帝への忠誠を誓わすというのが目的のようだ。

 

  国宝「宗周鐘」の展示

こちらの青銅器も同じ時代に造られたもので、こちらにも123文字の銘文が刻まれている。合計36個の突起があり、高く付き出た形状は鐘が高く真っ直ぐで荘厳な印象を受けるという。

 

しかし3000年前からこれだけの技術が中国にあった事に再び感嘆して「ほぉ~~!」とか「へぇ~~!」とかの声しか出ない・・・。

 

まずは青銅器ばかりが並ぶコーナー。展示品を全て見て回るのに2~3日は必要なようだ。じっくり見て回る訳にはいかないので、メインの見ておくべきものだけを抜粋して見ていく事に。

 

こちらも国宝「頌壺」で、お酒を貯蔵する器だったようだ。こちらにも奥の壁に表示されている銘文が蓋と身、それぞれに152文字が刻まれている。周王の礼の儀式の様子なども記されているという。

 

  国宝「散氏盤」の展示

こちらの青銅器も同時代の物で、こちらも内側には350文字にもなる銘文が刻まれている。こちらも同じような目的で造られたもののようだ。

 

この時代の文字も、全て現在の漢字のような物ではなく象形文字のようなものも刻まれている。ただ今の日本にも使われている漢字の形も、この頃には使われていたのが確認できる。

 

西周晩期の作品と推測されている。当時の皇帝に貰ったものだから、日常生活では使われていなかっただろうな。。

 

こちらの壁には「散氏盤」に刻まれている文字が、拡大されて張られている。田んぼの「田」はこの時代でも使われていたようだ。

 

人気の観光地だけあって、多くの観光客が集う場所。あちこちに観光客の団体がいて、展示品の順番待ち状態が発生している。

 

こちらの壁にも西周晩期の青銅器に刻まれている銘文が張られています。手前にはクラブツーリズムの団体さんが居ました。他にもJTBや別の阪急交通社のツアー団体も多数見かけましたが、現地ガイドさんが日本人なのは我々の団体だけでした。他は日本語が上手と思われる台湾人のガイドさんでした。

 

先程見学した毛公鼎の説明が壁に書かれている。英語と中国語と日本語にて。ここに日本語があると、ちょっとホッする瞬間でもある。

 

こちらには漢字の時代での流れの説明も書かれている。中国で使われていた漢字も、昔からず~~っと同じものではなく時代によって変化していっているというのが分かる。

 

宗周鐘の説明もあるが、まだまだ凄い作品と感じれる物はこれから出てくる。

 

残念ながら人気の至宝の1つでもある”豚の角煮”の石は他所に持ち出されていて、見る事が出来ない。こんな角煮の彫刻まで精密に造るのだから、中国文化は凄い!

 

そして豚の角煮と共に人気の”白菜”の彫刻の展示はこれから見学します。今回の現地ガイドさんの旗印は「イイねマーク」です。

 

豚の角煮石は貸し出しされているが、一番人気である「翠玉白菜」は見れる。何でこんなものを造ろうと思ったのか、ボクの人間レベルでは全く理解できないし、今まで想像もした事がなかった。。これは嫁入り道具として造られたと考えられている。

 

  「翠玉白菜」の展示

そんな「翠玉白菜」の展示品の周りには人だかりができている。さっき近くにいたクラブツーリズムの団体が先に展示品に群がっていた。。

 

そんな人混みをかき分けて展示品に近づく。やっぱりこの故宮博物館でも一番人気のある展示品だけあって、なかなか人は去っていかない。辛抱強く待つしかない。

 

こちらがその「翠玉白菜」の現物、ヒスイ輝石が材料で下部分が白で、上側が緑になっていてその材質を見事に生かした作品である。

 

元々は垂直に展示されていたが、1925年に故宮博物館担当者が展示品の特性を最大限に見せれるようにと、このように斜めに立てれる台座を作成した。

ちなみに手前に置かれている台座が元々この「翠玉白菜」を垂直に支えていた台座である。

 

ヒスイ輝石の緑部分には白菜の葉っぱと、そこにしがみつくバッタ(イナゴ)とキリギリスが精密に彫られている。イナゴは多く子を産むので多産を象徴させるものとして考えられており、それを考慮し嫁入り道具だったと推測されている。

 

今回台湾に来るまでこんな至宝があるなんて全然知らなかった。「何で白菜やブタの角煮の彫刻が??」と思っていたけど、ここまで精巧に造られているとは思っていなかっただけに改めて中国文化について驚いた瞬間でもあった。。

 

そんな「翠玉白菜」の展示ルームに一緒に置かれていたこちらの作品。ただ「翠玉白菜」を見て興奮していたのであまりこちらまでは気が回らない。。

 

こちらの展示物も名品なんだろうけど、置かれている場所が悪かったのかもしれない。日本のプロ球界に例えれば、長嶋茂雄や王貞治の人気や活躍に隠れて、素晴らしい実績を上げたにも関わらず現役時代はそこまで称賛されなかった野村克也というとこかな?!

 

「翠玉白菜」でこんなに感激するのだから、同じように人気な”豚の角煮”も是非見てみたかったな。

 

早々から中国文化の至宝が勢揃いしているが、驚く物はまだまだこれから続々と出てくるのである。。

そんな様子は次回に続きます!

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