【トルコ周遊10日間ツアー】3日目
【1人参加旅ツアー・阪急交通社(トラピックス)】2019年7月中旬
かつての繁栄の跡!?
トロイ遺跡にて
トルコはイスタンブールから約5時間かけて移動した、チャナッカレから南の方にあるトローアスという地方にあるトロイ遺跡を見学中。
神話と思われていたトロイア戦争で争われていた都市跡が発見された場所である。今となっては”トロイの木馬”が使われたという話の方が有名ではあるが。。
こちらの遺跡はこのようにほとんどが石垣跡しか残っていない。それも紀元前に造られた都市跡でその地に9層も地層として残っているので、ほぼ原形は残っていないのである。
このドイツ人商人シュリーマンが発掘した第2層部分からは、その当時の財宝が出土した。一説によるとシュリーマンは財宝が出土する可能性が高くなると、現地トルコの手伝い人を早く帰らせて自分達だけで密かに発掘したという。
そしてトルコ(当時はオスマン帝国)で発掘された財宝にも関わらず、こっそりと無断でギリシャに持ち出し、その後ドイツに持ち帰ったのである。そんな泥棒に近いシュリーマンに対し、当時のオスマン帝国は発掘禁止の処分にするが、シュリーマンはコネを使い上手い事許可を取り発掘を続けたのであった。
紀元前にはとても繁栄したこのトロイの地。エーゲ海近くでの貿易で栄えたとされている。
「とりあえず!!」って感じで、何人かが説明板の写真を撮っているけど、後で写真を見返す人はほとんどいないのだろう。。
そういう意味ではこうやってブログに投稿する作業をしていると、その観光当時を思い出し、またその遺跡や土地などに興味が出てくるので”一回の旅行で2度楽しめる”と言っても過言ではない。
遺跡の盗掘というのは”人間の性”というべきものかもしれない。「盗掘さえされていなければ・・・」という声をよく聞くが、それはそれで浪漫が広がると思うしかない。過去は変えれないのだから。。
トロイ遺跡の景色 動画
シュリーマンが発掘したこの遺跡。しかし考古学的な価値を求めてというよりは、財宝を求めて発掘の素人に近い人間たちが発掘を行った為に多くの場所でその考古学的価値が損なわれた。
この辺りも色々な建物跡などの遺跡が出たハズだが、その跡がこれだけしか残されていないという。
シュリーマンという人間は、このトロイ遺跡やギリシャのミケーネ遺跡を発掘に成功した偉人ではあるが、反対に遺跡を破壊した戦犯ともされている。
この辺は何層目かの遺跡があったとされるが、シュリーマンが発掘しすぎて第1層まで掘り進めてしまった為に、何も残っていない。。
この遺跡は現代も発掘が続いており、この図のようにこの辺りの地層は色んな時代の上に造られている。
こういう遺跡が何層も重なっている場所は、発掘も難しい場所なのであろう。
ローマ数字でⅢやⅡとか札が置かれているのは、その当時の地層を示している。掘れば掘る程、新たな地層が出てくるので発掘する側からすればお宝が出るまで掘りたくなる。
今の時代では考古学的な価値を優先するが、当時は歴史的なお宝を発見する事が最優先だったのであろう。
遺跡内に係員のような地元の人達がいたが、発掘というよりは掃除をしていそうな感じだった。
こちらは第2層の都市跡から発見されたという「プリアモスの財宝」群とそれを身に付けるシュリーマンの妻ソフィアが説明されている。
こちらは城壁に設置されていた坂道。トロイア戦争の神話によると、ギリシャ群が残した”トロイの木馬”を城内に運ぶ際に、門が小さく入りきらなかった為にその門を破壊してまで城内に運んだという。
城内にトロイの木馬を運んだとすれば、この道幅以内の大きさであったのだろう。とするとこの遺跡入口に置かれているトロイの木馬のレプリカのサイズは少し大きいのかな?!
今21世紀を生きる人間として、紀元前に人の手によって造られたものを目にすると、想像もつかない世界に感動してしまう・・・。
まだまだ遺跡は続きます。ただ石垣ばかりなので、そろそろ飽きがくる人もいるハズ。。
休憩用のベンチ。何か文字が彫られていますね。
遺跡の発掘作業というのも、現場を荒らさないようにして、地面を細かい筆のようなもので掃いていくという地道な作業で大変なようだ。
これだけの遺跡を発掘し、維持してきたのはこれまで頑張ってきた発掘作業チームのおかげである。
こちらの現場では発掘作業をしていました。でもこんな暑い日でも作業をしないといけないとは本当に大変だ・・・。
この第6層辺りでは、神官などの邸宅跡などが発見されている。
トロイ遺跡の景色 動画2
未だに発掘しているので、ひょっとしたらこれから歴史的な発見が出てくる可能性もある。
それを楽しみにしておこう!
トロイ遺跡の景色 動画3
古代への浪漫を楽しめるトロイ遺跡。シュリーマンは周りの人達が”神話の世界”だと決めつけていたのを、地道な努力の甲斐あって発見したのである。そう思うと偉人である。
ただその強欲さというか、考古学への無知さが、その発見された財宝群よりも価値がある遺跡を破壊してしまったのである。
この辺りは第8~9層の地区。信仰されていた宗教の聖域があったようで、像なども出土している。2018年からはトロイ博物館がオープンして、トルコ国外に持ち運ばれた出土品なども一部返還されて展示されているそうだ。
そろそろ遺跡見学もお疲れが出てくるタイミングになってきました・・・。
日本と違って、同じ気温30度でも湿度がないのでカラッとしていて、気温だけだとそこまで暑くは感じない。ただし直射日光が当たると、さすがに暑い。。
この辺に来ると、次はローマ時代の遺跡が見えてくる。
ローマ遺跡も最初に見た頃は「おお~~~!!」と思ったが、何回も見慣れてくると同じ様式の建造物ばかりなので、そろそろ驚かなくなってきた。。
そしてここトロイにも見慣れた半円形の劇場跡が見えてきた。
もはやこの劇場跡はローマ遺跡には付き物の建造物。
その反対側には「髪の毛」をイメージしたのか? クネッとした細い柱があり、監視カメラが設置されていた。
当時から見世物は大人気だったのだろう。
こちらの中国系観光客の奥さんは、日焼け防止の為か? フェイスマスクのようなものをつけていた。一瞬映画「13日の金曜日」のジェイソンを思い浮かべてしまう・・。
この地域はギリシャ神話とかが好きだけど、ひょっとしたら実在した話を起源にしているのかもしれないね。。
トロイ遺跡の景色 動画4
この辺りは第6~7層の時代にあった南門(SOUTH GATE)の跡。
こういう遺跡も自分だけで回って説明無しで歩くより、こうやって現地ガイドさんの説明を聞きながら見て回る方が色んな事が頭に入って理解し易い。
こちらの場所では未だに発掘作業が続いていて、こうやって土砂が運ばれている。
この南門に繋がる道はあまり広くなかったので、ここからはトロイの木馬を運べなかったハズ。。
その南門に繋がる道を発掘している現場だが、右端に見えるのは何とローマ時代の配水菅である。ローマ遺跡も重要な遺跡だが、その下にはもっと大事な遺跡が埋もれているかもしれない・・。
そう思うと、色んな意味で発掘という作業は難しい。しかもたった1つの行動でその遺跡の価値を損ないかねないし。。
ただこの場所には、これまでに様々な人達が暮らし、沢山の喜怒哀楽があったハズ。それらを思い浮かべながら、楽しくトロイ遺跡を見学するのでありました。
この続きはまた次回に続きます!
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