ポルトガル旅行記:5日目
阪急交通社ツアー「お1人様参加限定:決定版ポルトガル8日間」-2020年1月13~20日
ポルトガル王政の果ての姿
15世紀から19世紀までポルトガル国王の居城となっていた、このシントラにある王宮跡。ここの見学はもう少し続きます。
シントラ王宮にて
国王が使っていたようなベッドだけど、想像よりも大きくなくて小さく見える。意外と小さい体だったのかな?
ポルトガルの歴史も、12世紀にスペイン地方にあったカスティーリャ王国(現在のスペイン)から独立してからも、浮き沈みの多かった国である。大航海時代にインド航路を開拓し、インド地方の香辛料やアジアとの交易で莫大な富を築いたかと思うと、王国の跡継ぎがいなくなりスペイン王国に再び傘下に入ったりと。。
ポルトガル国内の経済状況がジリ貧だったので、アフリカ大陸や南米大陸、アジア諸国まで進出するが最終的にはことごとく植民地経営は思った以上に上手くいかなかったようだ。
王宮の台所にて
ここは王宮の台所である。数百年とここで王族や王宮で働く人達、または招待された要人などを持て成す料理を作っていたのである。
キッチンがこのように造られたのは15世紀頃とされている。
多くの人達の胃袋を満足させてきた、王宮の台所。ポルトガル王国内で、一番料理に対する味に厳しかった場所かもしれない。
そして外側からシントラ王宮を見ると、立っていた白い2本の塔の内部から見た景色がこれ。
台所の煙突でしたね。。
置かれている鍋とかは、実際に使われていた年代の物が置かれているとか。現代に住んでいるとスイッチ1つで火が点いたりするけど、昔は全部薪を燃やして火を起こしていたのだろう。
大量の鍋を加熱するのに、大量の薪で火を燃やすので沢山の煙が出る。そんな沢山の煙を排出するのに、大きな煙突が2本必要だったという事。
戦国時代に伝来したポルトガル文化。それから今ではすっかり日本語だと思っていた言葉も、実はポルトガル語から来ているというものも実は多い。台所繋がりでいくと”天麩羅(天ぷら)”の語源はポルトガル語だと言われている。
この漢字からして外来語のようにも感じるけど、諸説は色々とある。ちなみにオックスフォード英語辞典によると「tempêro」という調味料を意味するポルトガル語が語源になったという説を紹介しているようだ。
こちらに置かれていた長~~い串は豚の丸焼きとかに使いそうな物に見える・・・・。持ち手の所が回しやすいように鉤の形になっているし。
こちらはオーブンのようだ。色んな料理がここで作られてきたのだろう。
薪を燃やした煙などが逃げていく為の煙突だけど、内側はこのように思った以上に白い。という事は定期的に黒ずんだ内側を白く塗り直していたのかな?!
台所内を見回した景色 動画
マヌエル様式の造りはとても分かり易くて、カッコイイ!大航海時代で繁栄した時代の国王だっただけに、その船などを建築様式に盛り込んだアイデアが面白い。陸地の建物の装飾に、船のロープを取り入れるなんて・・・これを見ているだけでマヌエル1世の凄さが分かるのである。
こちらは鍵穴付きの小物入れ。貴重品を入れていたのかもしれないけどこれ位だったら、軽そうなので担いで持って行かれるかもしれないな。
そんなマヌエル様式の装飾がある部屋には、煌びやかでゴージャスな形のシャンデリアも見える。こちらに来賓を招いて会食を行っていたのだろう。
中世のヨーロッパの来賓を招く場所には、このように必ず設置されてあるシャンデリア。
こちらは食後にコーヒを飲んでいたかのように椅子が沢山並べられているが、さすがにこれは椅子の位置が密集し過ぎだと思うけど・・・。
豪華なシャンデリアの上の天井には、何やら紋章みたいな彫刻が入っているのも見える。
バルコニーからの眺め
さてそんな部屋のバルコニーから、再びシントラの街を眺める。ポルトガルに来る前は全然ポルトガルの歴史の知識が無かったけど、こうやって実際にポルトガルに来て自分の足で色んな所を回ると、それに必然のようにそこの歴史が付いている。
そしてそんな歴史を調べていくと、そんな時代があったからこそ今があるという事に気付いたりする。そして今までの知識と関連して繋がる歴史や知識などが出てきた時は、目の前の霧が晴れたようなスカッとした気分になれる。そうなると余計に歴史などについて調べたくなる。
最初の頃はただ漠然と海外に行き、その見慣れぬ景色に驚き感動していたけど、今はそれも素晴らしいけどその国の色んな歴史を知りたいと思うようになってきた、今日この頃である!
「いや~~疲れた、疲れた。早くビールが飲みたいね~~」という感じの顔に見えなくもない”メルハバおっちゃん”。ちなみにメルハバとはトルコ語で「こんにちわ!」の意味である。このオジサンとは実は去年のトルコ旅行時に一度ツアーが一緒になって、今回は会うのはそれ以来2回目なのである。
ポルトガル王国の王宮があった場所だけに、もう少し大きな街かと思っていたら人口は約30,000人前後のシントラ。大都市であり首都でもあるリスボンが近いから、人はそちらに集まるからかもしれない。
バルコニーからの景色 動画
まだ外に出た訳ではなく、バルコニーから外を眺めただけなので、再び王宮内に戻って進んで行く。
王宮内にあった噴水のような水が出てくるのも、こんな顔の彫刻の口から出てくる。
どうせなら鼻から水が出てくるとかだったら面白いのにな。。
中庭と水の洞窟にて
こちらは最初に見学した”白鳥の間”の真横にある中庭。1月は観光客が多くなく、気候もそこまで寒く無いのであまり混雑するのが嫌いな人には、この時期の観光が向いているかもしれない。
中庭の真ん中にはマヌエル様式のネジネジの特徴がある像が見られる。
こちらが”水の洞窟”と呼ばれている、18世紀後半に造られたアズレージョと漆喰の絵で飾られている。
天井には天地創造の絵が描かれているようだ。ここは日陰にもなり、かつ近くに水が流れているので夏場は涼しかったようだ。
さて楽しかったポルトガルの歴代国王の思い出が凝縮したような王宮の見学もこれで終了です。
最後にお土産屋さんをチェック
そして出口手前の最後の部屋に、これまた定番のお土産屋さんがあります。折角なので勿論中を覗いてみます。
あんまりこういった博物館のような建物内にあるお土産屋さんで、モノを買う事はなし。
だけど貴重な歴史や建造物の資料になるガイドブックは、最近は必ず買うようにしている。
ただ残念ながら日本語のガイドブックがなかった・・・ショック・・・orz
こんな雑貨とかは、わざわざこんな所で買うよりも街中のお店に行った方が、種類は沢山あるし値段も安かったりするし。。
そういつも思っているけど、こちらのランプには少し気が行ってしまった。王宮内のタイルにもあった、イスラム調デザインが入っていたので。
さて一番目的だった日本語のガイドブックが無かったので、結局何も買わずに出口に向かいます。
これで約1時間掛けて見学した、シントラ王宮見学は終了です。
シントラの街にて
次の目的地はヨーロッパ大陸の最西端であるロカ岬。約5年前に放送が終了した関西の毎日放送の番組で、稲垣早希という吉本興業に所属する女の子が旅する『ロケみつ』ヨーロッパ編で最終目的地がこのロカ岬だった。
ロカ岬まで約40分程移動時間が掛かるので、無料の公衆トイレに行っておく。こちらはそんなトイレから近い場所にあるカフェのメニュー。やっぱりメニューの写真があった方が分かり易い。
そんなカフェのテラス席に置かれたオブジェと、その背景に青空を突っ切る飛行機雲の景色がなかなかいい感じである。
このシントラの街ではペーナ宮殿という、もう1つの見所がある。そちらの方が高台にあり、建物の色もカラフルなので人気らしいが混み合う事もあって今回は王宮のみの見学だった。
そんな他の場所ももっと見てみたいという願望も「アッチもコッチも行きたいのであれば、ツアーではなく個人で来てくださいね!」の一言で一蹴されてしまうのであるが。。
可愛らしい猫ちゃんのデザインが入ったトートバッグ。最近の海外旅行ではすっかり現地の猫ちゃんとの触れ合いが、楽しみの一つになってしまっている。しかしまだこのポルトガルではそんな猫ちゃんとの絡みはなし。
いつになれば猫ちゃんと会えるのだろう・・・・?!
近くのお土産屋さんを見てみるけど、こちらは物で溢れかえっている・・。
個人的には画面中央のやや左に見える、苺の器がちょっと欲しいと思った。
でも「食器は割れたら新しいのを買う、割れなければ今のを使う!」というオカンの名言を思い出して踏みとどまる。。
本当に約2時間半という短い時間の滞在だったけど、それなりに楽しめたシントラの街。ここポルトガルも2回目の旅行で行きたくなる国だったけど、さて再び戻ってくる事ができるだろうか?!
シントラは完全に観光の街なので、お客さん相手に夕方前の中途半端な時間だったけど、こちらのレストランでは客引きに精を出している感じだったな。
シントラの街の要所要所で客待ちをしていた、こちらのトゥクトゥクのような三輪車。ただし人気観光地ではこういった乗り物は、相手が観光客だと分かると値段を吹っかけてくるので値段交渉が面倒である。。
こんな旅はまた次回に続きます!
↓↓↓↓ポルトガル旅行記:初回↓↓
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