ポルトガル旅行記:3日目
阪急交通社ツアー「お1人様参加限定:決定版ポルトガル8日間」-2020年1月13~20日
アズレージョで囲まれた玄関
ここか世界遺産ポルト歴史地区で、ドンルイス1世橋を一回南側に渡って再び北側に戻ってきました。正面中央に見える塔はクレリゴス教会の塔で、76mの高さがあり頭が飛び出て見えるような塔です。
ポルトの街にて
やっぱり現代人で一番有名なポルトガル人は、このサッカー選手であるクリスティアーノ・ロナウドである。ポルトガル人で最高のサッカー選手といえば、前までは1960~1970年代に活躍したエウゼビオであったがすっかり今ではこのロナウドがポルトガル人として最高のサッカープレイヤーとして認められる存在になっている。
ドンルイス1世橋を渡って、簡単に体験・見学した後は街の中心部の方に歩いていきます。しかし段々と悪くなっているように見えた天気は、この頃になると小雨が降ってきました。さっきまで晴れていたのに、天気が変わり易いみたいですね。
こちらはメトロの「サン・ベント駅」。ここの線に乗れば、さっきドンルイス1世橋を走っていたメトロの線に乗れるみたい。
雨がパラパラと降ってきましたが、着ていたのはモンブランの撥水パーカーなので慌てる事もなく、そして傘を広げる事もなく・・・。
というか傘はいつも持って来ていないんですがね。。
そしてポルトの街中が「これ、面白いな~~いかにもポルトガルらしい!」って思えたのが、こちらの街角に置かれていた岩。
反対側を見ると、このようにアズレージョのタイルが貼られていたのです。ポルトガルらしい雰囲気のあるオブジェでしたね。
この辺りはポルト市内でも中心部に当たる場所なので、必然的に交通量も多く、沢山の車が行き交っていた。
サン・ベント駅構内に進む
さて雨宿りに寄ったと思っていた建物は、ポルトの街でも列車の始発駅である「サン・ベント駅(São Bento Railway Station)」であった。
元々観光コースに入っていた場所とは知らずに進むと、奥には壁に装飾された景色が見えてきます。
こちらはサン・ベント駅舎構内で、こちらも世界遺産「ポルトの歴史地区」の中に入っている場所です。
ここは元々サン・ベント・ダ・アヴェ・マリア修道院という建物が建っていたが、最後の修道女が亡くなりその後廃墟となった為に取り壊されて1916年に完成したサン・ベント駅舎。
こちらの名物は写真にも見られるように駅舎内に、約20,000枚以上ものアズレージョのタイルで装飾された美しい内装です。こちらの内装は1905~1916年までの長期間に渡って、アズレージョ画家であるポルトガル人のホルヘ・コラコ(Jorge Colaço)によって作られたものである。
駅舎の外に出てみると、奥にはこちらもファザードがアズレージョで装飾されているサント・アントーニオ・ドス・コングレガードス教会が見える。こちらも大胆に教会のファザードにアズレージョを組み込むという、美しい教会である。
再び駅舎内に戻る。こちらの鉄道は駅舎が完成する前の1896年から列車の運行が開始している。
それにしても遠くから見ると、大きな絵にしか見えない壁の装飾。でもこれは小さなタイルを何枚も繋いでこのような大きな絵になっているのである。。
勿論この駅は沢山の利用客が今でも行き来していた。ただここの列車に乗って直接リスボンには行けなくて、この駅の東側にあるカンパニャン駅でリスボン行きの列車に乗り換えて、リスボンまでは約3時間半~4時間程かかるようだ。
美しいサン・ベント駅構内の景色 動画
大きな駅だったけど、リスボンと直接電車が繋がってないというのはちょっと不便に思う。。
そんな世界でも最も美しい駅の1つとして数えられる、このサン・ベント駅。そんな構内の隅っこで売られている野菜やフルーツ。
こちらの大きなアズレージョの絵は、ジブラルタル海峡の先にあるアフリカ大陸の北端の場所であるセウタに攻め込み、セウタ攻略に成功した様子を描いている。中央に立つ人物はエンリケ航海王子で、彼が着ている服の正面には彼の紋章が付けられているのが分かる。それと敵として描かれているのは、降参するイスラム教徒である。ちなみにこのセウタは現在ではスペイン領となっているが、モロッコは強い抗議しているが未だに返還はされていない。
遠くから見ると分からなかったけど、近寄ってみるとこのようにタイルの集合体で描かれているのである。
この”アズレージョ”と呼ばれる、ポルトガルの伝統的な装飾タイルは仕上げの際に焼き上げるのであるが、その仕上げでタイル自体が僅かに伸縮するのである。だからその収縮率も考慮して、これらの絵をタイルに描いていく必要がある。だけどこの仕上がった絵を見ていると、そんなズレているような感じは一切見られないのである。それだけ優れたタイル画家が約10年もの歳月を掛けて、仕上げた力作。
セウタを攻略したエンリケ航海王子だけど、アフリカから送られてくる金が集まる場所だったセウタには思いのほか金が集まらずに他の都市に分散されてしまった。そして依然としてイスラム勢力からの反抗が続いたので、仕方なしにセウタを手放して更に南の方に進出していくのである。これがきっかけとなり、ポルトガルでの大航海時代が幕開けするのであった。
列車は最新型にどんどん移行していくけど、駅舎は昔ながらの景観のまま。
駅舎の内側の面たる面、全てにこのようにアズレージョが貼られています。タイルを張る事により、室内温度を保ちやすいという効果もあったようです。
こちら中央に描かれているのは「ヴァルデヴェスの激戦」で、1140年頃にアルコス・デ・ヴァルデヴェスという場所の近くで行われたレオン王国との戦いである。そしてこの戦いの後、1143年にレオン王国との間でサモラ条約を結び休戦となり、アフォンソ1世が国王となりポルトガル王国が誕生する事になるのである。ちなみにレオン王国の国王アルフォンソ7世からすれば、ポルトガル王国とは停戦したが自分達の下に置かれている国という認識だったが、ポルトガル王国初代国王アフォンソ1世はそれを無視して「自分達は独立したんだ!」という態度で行動を続けたという。
こちらは当時のレオン王国の国王アルフォンソ7世に接見する、ポルトガル貴族。1137年にギマランイスで独立を目指したアフォンソ1世は、レオン王国に包囲されて窮地に陥るがこの貴族が仲介に入り、アフォンソ1世がレオン王国に対して臣従を誓い解放される事になる。しかしその後アフォンソ1世は再び何食わぬ顔をしてレオン王国からの独立を目指して行動していたので、それを詫びに来たポルトガル貴族一家の様子を描いているという。家族全員をレオン王の前に連れて行き、殺されるのを覚悟して詫びにいったが、その勇気を認めてレオン王は彼らを解放したそうだ。
大きな壁の面にはポルトガル王国の重要な場面が描かれていると思えば、小さな面にはこのような日常の一コマも描かれているアズレージョ。
サン・ベント駅の構内にはレトロな時計が今も変わらず、時計の針をゆっくりと進めている。
農村の風景など、リラックスさせるように選んだ絵なのかも。
海外の電車はこのように改札が無い所が多い。車内でキップの販売や確認をしたりするんだろう。
ちょっとビックリしたのが、列車にも落書きされたようなデザインになっている車両があった。落書きなのか?こういうデザインなのか?
ポルトの街の伝統を残す、サン・ベント駅。
ポルトガルの重要な歴史を教えてくれる、サン・ベント駅でもある。
ただ美しいアズレージョを眺めるのもいいけど、せっかく見ているんだからちょっと位はポルトガルの歴史も勉強しないとね!
こちらはちょっと可愛らしいアズレージョまである。こちらは新しく付け加えられたのかな?!
再びポルトの街を歩く
美しい駅舎のサン・ベント駅を出て、またちょっと歩きます。雨は中途半端に降っているような、降らないような。。
そして駅舎内部がこんな美しいサン・ベント駅の真ん前に、ご覧のようにモクモクと煙を上げる露店があります。
こんな歴史的なポルトの街の中心部で、こんなに堂々と煙を立てて商売しているとは恐れ入った・・・。ちなみにこちらはポルトガルでは伝統的に人気のある焼き栗を販売するお店だそうだ。ポルトガルの街では色んな所で目にする光景である。
こんなサン・ベント駅前で煙をモクモクと立てているお店が、問題なく営業しているのもポルトガルらしい?!
18世紀初頭に建てられたという教会。それにしても、アズレージョがファザードに装飾されているだけで、普通の教会とは全然雰囲気が違って見える。
そういう意味ではこのようなアズレージョのデザインだと、教会のように思えないので面白い教会でもある。
こちらはポルト市内中心部のリベルダーデ広場。18世紀に造られた広場で、今では周辺に色んな建物が揃う人気のスポットにもなっています。
そんなポルトの中心部だけあって、人も多いし車も多い。。
リベルダーデ広場の景色 動画
ポルトでフリータイムに!
そしてこのリベルダーデ広場でこれから約1時間のフリータイムとなる。ボクの頭の中にはさっきバスに乗っていた時に見えたクレリゴス教会の塔に登る事だけ。幸いリベルダーデ広場から歩いてすぐの場所にあり、ここからでも見えています。
こちらは派手でお洒落な内装の『O Mundo Fantastico das Conservas Portuguesas』という、イワシの缶詰をメインに置いているお店。なお、このお店は”ちょっといいお値段”がするけど、人気らしくポルトガルでも何店舗も見かけます。
これから行くクレリゴスの塔の近くにも同じお店があったりで。。
イワシの缶詰屋さんのPR動画
これから向かうクレリゴスの塔はあくまで教会に付属する建物なんだけど、今のボクにとっては教会よりも高い塔の上から見るポルトの街並みを求めているのである。
1時間のフリータイムだけど、行きたい所があるとあっという間に時間が無くなってしまう。
だから1人だけフリータイムが始まった瞬間から、早歩きになっているのである!
地面には路面電車のレールのようなのが見えたけど、ここは走っている感じはなかったね。
こんな旅はまた次回に続きます!
↓↓↓↓ポルトガル旅行記:初回↓↓
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