ガイア地区にあるポートワイン老舗「SANDEMAN」で工場見学-ポルトガル旅行記-16

ポルトガル旅行記:3日目

阪急交通社ツアー「お1人様参加限定:決定版ポルトガル8日間」-2020年1月13~20日

甘いワインの醸造元へ

晴天の天気に恵まれたポルトガル旅行。今日は午後からポルトの街にやってきて、街を分断するドウロ川の北側にあるポートワイン産業の拠点ビラ・ノバ・デ・ガイア地区にいます。

 

ポルトの街にて

こちらのガイア地区のドウロ川岸には、ポルトの一大産業であるポートワインの工場が数十軒も密集する場所です。真ん中に見える、白い壁の建物も「CALEM(カレム)」という1859年創業で国内シェア第一位のポートワイン屋さんである。熟成期間が長めでコクが深い味わいが特徴的なんだとか。

 

 

この川岸の道の上にはロープウェイも見えます。こちらは2011年に開通したものみたいで、600mを所要時間5分程の区間のみですが、上から見える景色はとても綺麗みたい。

 

ガイア地区の川岸を歩く 動画

 

こちらの川岸では、このような露店も沢山出ていましたがそこまで商売熱心な感じでもありませんでした。

 

この通りにはご覧のようにベンチもあって、ここから眺める世界遺産のポルト歴史地区を眺めれるスポットとしても人気があります。

 

ドウロ川岸であるのも影響してか、ここを歩いていると気分が良くなってくる感じがする。

 

後ろを振り向けば、ドンルイス1世橋の上段にはメトロが走っているのが見える。あんな高い場所を通る電車だけど、メトロだそうだ。ちなみにメトロって聞くと地下を走る地下鉄のイメージがあるけど、言葉の意味としては”高速大量輸送都市鉄道”の事で、地下とかには限らず高架を走る電車も含まれるそうだ。

 

川岸にはご覧のようにポートワインの樽を積んだ帆船(ラベーロ)が浮かんでいる。昔からドウロ川上流で採れた葡萄から作ったポートワインを樽で運んで来て、この地域で熟成と瓶詰めが行われてきた。しかし今となってはトラックという輸送効率のいい運搬手段が出来て、現在はこの帆船は使われていない。だけど当時の雰囲気を残す為に、あえてオブジェとしてわざわざ樽を載せて川に浮かべているという。

 

 

SANDEMANで工場見学

今回工場見学をするのは、こちらの「SANDEMAN(サンデマン)」という1790年スコットランド人が創業した会社。「デビッド・ジョージ・サンデマン(David George Sandeman)」という、1757年生まれのスコットランド商人が創業者の1人で、彼の名前が社名となっている。

 

 

「上を走るロープウェイがもし落ちてきたら・・・・」と思ってしまう位置を進むロープウェイ。

常にリスク管理は必要である!

 

正面入り口からSANDEMANに入って行きます。ここはワイン醸造の全工程を行っているのではなく、ワインセラーとワインショップになっており、葡萄からワインを造る工程は別の場所で行っています。

 

なのでワイン造りの全工程を見たい人は別の見学ツアーに申し込んだ方がいいと思う。ただチラっと見学して、目的がワインの試飲であればここが正解である。

 

 

玄関を入ったホールの壁には、昔の写真や資料などが置かれていて、サンデマンの勉強をするにはここを見るのが一番かもしれない。中に入ると、大きなワイン樽とかを見るだけなので。。

 

ここの見学では一応サンデマン側のガイドさんが付いてくれるらしいので、それ待ちの間に展示ルームを見て回ります。

 

こちらではサンデマンのロゴにもあるように、黒いハットと黒マントにグラスを持った形のボトルまであります。

 

こちらにはポートワインの瓶と箱が展示されています。

元箱屋さんの会社に勤めていたボクは、勿論目が行くのは箱の方です!

 

こちらの創業者の1人であるスコットランド人のデビッド・サンデマンは、サンデマンを創業した8年後に会社を辞めてスコットランド商業銀行を設立したという。

 

こちらのロゴマーク、帽子はスペイン帽子で”コルドベス・ハット”(Cordobés hat)と呼ばれるアンダルシアのコルドバ地方で伝統的な帽子です。いわゆる”つばの広い帽子”を意味しており、フラメンコなどで使われる衣装でもよく見られるそうです。個人的にはアントニオ・バンデラス主演の映画『マスク・オブ・ゾロ』での恰好を思い出します。

 

そしてポルトガルでは一般的らしいのですが、このマントはポルトガルの大学生が着用する制服みたいな存在の物。明日ヨーロッパでも有名なコインブラ大学を訪れたけど、誰もこのマントを着用していなかったが。。

それと『ハリーポッター』シリーズの原作者 J・K・ローリングは一時期このポルトの街で、英語教師として働いていた。その為、マントを着た学生スタイルやポルトの街にある”世界で一番美しい本屋”とも言われる古い本屋などから、このポルトでインスピレーションを得ていたと思われる。

 

こちらにはサンデマンの年表があるけど、文字が小さいし、英語なので全然理解できなかった・・・というより理解する気もあまりなかったけども。。

 

こちらの写真は1935年のもので、川岸に多くのワイン樽が並べられているのが分かる。奥には1886年に既に建てられたドンルイス1世橋も見える。

 

当時はこのようにドウロ川を使い、帆船で樽を運んで来ていた。そしてこの樽の運搬に牛を使っている様子も見られる。

 

このポートワインは「ヴィーニョ・ド・ポルト(Vinho do Porto)」とも呼ばれる。ポルトガルを流れるドウロ川上流の”アルト・ドウロ地区”がポートワインの法定区域と決められていて、ここで作られた葡萄を原料とした“酒精強化ワイン”にのみポートワインという商標を認めているとの事。ポルトの港から出荷されていったので「Port (港) Wine」と英語圏のイギリスで呼ばれて、ポートワインという呼称になるのである。

 

さて、サンデマンのロゴマークの恰好をしたお姉さんがやっとやって来ました。これから工場見学が始まるようです。

 

 

サンデマンのセラー見学開始

ここは工場と言うのか、ワインセラーと表現するのがいいのか、ちょっと微妙である。逆に言えばどちらでもいいんだろうけど。

 

まずセラー内に入ると、通路の両脇に多くのワイン樽が丸い形ながらも上手い事積み上げられているのが見える。

 

ワイン樽にはそれぞれに、いつ詰められたのかが分かるようにメモ書きがされている。

 

ただ今は主に大きなこちらのようなタンクにワインが貯蔵されて、熟成されているみたい。

 

基本酒飲みからすると、このような見学してもその説明は全然耳に入らずに「いつになったら、お酒試飲させてくれるの??」と思っているハズ。。

 

昔は小さな樽を何百個も用意して、それぞれにワインを積めるという手間をかけていたのだが、今となっては生産性向上の為に大きなタンク内で醸造されているようだ。

 

この蛇口を捻れば、ポートワインがどんどんと出てくるという、夢の蛇口である!

 

この現地工場ガイドさんの後ろ姿を見ていたら、ハリーポッターのイメージが頭に浮かんだけど、やっぱり原作者はここからインスピレーションを受けていたようだ。帰ってから原作者がこのポルトの街に住んでいた事があるという事実を知るのであった。

 

こちらにはビンテージワインに使われるような、古そうな樽が山のように見える。

 

セラー内の景色 動画

 

すっかり見慣れたサンデマンのロゴマーク。ヨーロッパの他の国でもスーパーなどで、たまに見かける事が出来た。

 

こちらにはこれまたボロボロなワイン瓶が見える。こちらはビンテージ・ワインで、ポートワインも醸造年数が経てば経つ程に味わいに深みが出るという。今回ツアー参加者さんの中に、東京でバーを経営している奥様が居て、ビンテージワインにはとても興味津々なご様子。お酒の工場視察の為に、毎年スコットランドに足を運んでいるとか。

 

ポートワインって、あまり日本国内では簡単に飲めるイメージがない。赤玉スイートワインも厳密にはポートワインでは無いし。

 

こちらには川に近い為か、ちょっとした池があって中には金魚が泳いでいる。そしてコインが沢山投げ込まれているのも見える。

 

ひたすらにワインセラーだけあって、ワイン樽が置かれている。

 

こちらには直径4mもありそうな、大きなワイン樽も。

 

この大きな樽があれば、人生一生分のお酒が飲めるかもしれない。

というか、自分が一生に飲むアルコールの総量はこれ位かもしれないと思うと、ちょっと引いてしまうけど・・・

 

なんか段々とキン肉マンに出てくるようなキャラクターにも見えてくる。。

 

 

そしてこちらの、とある壁の前で何やら説明している様子。なんだろう??

 

ここはドウロ川に面しているので、その川が氾濫して水かさが増えた時には実際にこれ位の高さまで水で浸水した記録を壁に残しているそうだ。こちらは1909年に、身長より高い位置まで浸水したようだ。

 

度々起こるドウロ川の氾濫により、ここのワインセラーに置かれているビンテージワインには、その氾濫の跡が残っているのである。そんなビンテージワインには逆に、それが見た目の味になっているのかもしれない。

ただし勿論そんな氾濫時の汚れは中身の味にとっては関係ないけど、見た目で味は変わる可能性があるけどね!

 

こちらのパイプは、血のような色をして発色している。。

もしドラキュラがこれを見たらとても興奮するだろうけど、一気にアルコール中毒になってしまいそうだ・・(笑)

 

ただここは工場ではなく、ワインセラーなのでそろそろと飽きてきた。といってもそんな長時間ここを見学する訳でもないんだけども。

 

小さな瓶だったら勝手にパクる人間もいるかもしれないけど、こんな樽だったらとてもじゃないけど1人で持つ事さえ不可能である。。

 

ドウロ川の上流に位置する「アルト・ドウロ・ワイン生産地域」は世界遺産にも認定されていて、ここでワインを作り下流まで運んでくる。ここでのワイン造りの量が増えて世界的にも有名になったのは、当時”無敵艦隊”と呼ばれたスペイン海軍が大量のポートワインを愛飲していた為である。

ちなみにポルトガルのポルトに初めて葡萄の苗を持ち込んできたのは、ポルトガル王国初代国王アフォンソ1世のお父さんである。

 

サンデマンでの勉強用VTR 動画

そして見学の最後に日本語での吹替Verの動画を鑑賞します。

この動画鑑賞が終わると、楽しみにしていたポートワインの試飲タイムです!

 

こんな旅はまた次回に続きます!

↓↓↓↓ポルトガル旅行記:初回↓↓

【ポルトガル旅行記①2020】イベリア航空経由でまずはスペインへ-阪急交通社
阪急交通社トラピックスのツアーで訪れた1月のポルトガル。まずは成田空港からイベリア航空でスペインに向かいます。

【コメント欄】