今日はプロテスタント派シヴィドニツァの平和教会をまず見学編-ポーランド旅行記-25

ポーランド旅行記:4日目
阪急交通社ツアー「おひとり様参加限定:決定版ポーランド8日間」にて–2019年11月–

3つ目の世界遺産を訪れる

ポーランド旅行は早くも4日目、昨日まで世界遺産を2箇所訪問したけど今日も世界遺産に認定されている教会を2箇所回る。旅行前に予備知識が無かったポーランドだけど、意外と世界遺産に認定されている数が多くて、それを精力的に周遊してくれるツアー内容。

 

さてまずはホテルの朝食会場で朝食タイムとなります。だいたいツアーで来られる参加者方は年齢的にも早く目が開きガチな方が多いので朝食会場には時間前から駆け付けている事が多い。それと「朝食はゆっくり食べたい!」という気持ちも強いのだろうけども。

 

いつもながらのアッサリ目な朝食を頂きます。「それだけじゃあ、お腹が減らない??」と聞かれたりするけど、ボクにとってお腹が減る事は苦痛でもなく、問題なく我慢もできるのでそもそもタップリと食べるという事自体の考えが無いのである。

 

今日はそこそこに晴れた天気のようだ。最初に訪れるシヴィドニツァはここから約60km離れているので、そこの天気がどうかにもよるけど、あまり心配しなくて済みそう。

 

あまり大きなホテルではなく、こじんまりした感じのホテルだったけど、特に何も問題なく居心地のいいホテルであった「CAMPANILE HOTEL」

 

今日も順調に太陽の顔が拝めた。

いい一日になりそうな予感!

こちらも幸先よく、ホテルの受付のお姉さんとのツーショット写真をゲット。そして一気にお気に入りの服の仲間入りをした、真っ黄色のパーカー。

 

ホテルを出発しシヴィドニツァへ向かう

夕焼けっぽく見えるけど、まだ朝。午前8時前で朝モヤの状態の空が見える。

 

添乗員さんによってはバスが出発する時に、口酸っぱく何度も「バスが動く前に必ず忘れ物が無いか、確認してください~!」と言う。特にパスポートは「出して確認しなくていいので、触るだけ触って確認してください。それ以外のものは忘れても最悪日本には帰れるけど、パスポートを忘れると日本には帰れませんので!」と、おっしゃる通りである。

ちなみに今までのツアーで旅行途中にパスポートを紛失した人はまだいない。だけどエジプト旅行の時に、最初に空港に集合した時に間違って古いパスポートを持ってきた人がいて、残念ながらツアーに参加できなかった事はある。

古いパスポートを記念に保管したい気持ちは分かりますが、持っているとそうやって新旧パスポートを誤る可能性があります。もし古いパスポートを処分したくないという人はそのリスクを最初に理解しておきましょう!

さて今日はバスの前方座席をゲットします。基本的にツアーでは自分の気に入った場所を独占するのではなく、日によって前後席を変えて皆が満遍なく座れるようにと添乗員さんから説明を受けます。個人的には前方の景色がよく見える前方の席が好きです。

ただし席を変える必要性もあるので、毎回遅めにバスに乗り込みます。すると前方の席は”遠慮の塊”のせいか、時によって空いている事も多かったりするのでそういった作戦をたまに実行します。だけど遠慮の塊がない人ばかりが集まるツアーだと、毎回後ろになったりするんだけどね。。

 

バスが走りだしますが、道路には全然車が走っていません。ゴーストタウンのようにも思えるけど、今日は日曜日で仕事が休みなので通勤の車が全然見当たらないのです。

 

ガラガラの道路を進む 動画

 

こちらはヴロツワフ郊外にあるプロサッカーチームのスタジアム。外見は何とも無機質な感じで特徴が見えないような。。

 

さてこの日も高速道路を使って移動します。目的地のシヴィドニツァまでは約1時間の予定。

 

高速道路も日曜日の午前中だから、ガラガラ。この様子だったら、予定時間よりも早く到着できそうだ。

 

高速道路を進む 動画

 

高速道路を20分程走った所で、下道に降りる。その下道を通っている時に見えるのは広大な緑色をした畑ばかり。本当にこんな場所に世界遺産の建物があるのかと思う位。。

 

シヴィドニツァ近郊の景色 動画

 

出発して約1時間でシヴィドニツァの村に辿り着いた。こちらの道路も石畳で昔ながらの建物などの景観が残っているようだ。

 

シヴィドニツァの平和教会に到着

ここは教会の入口。この門の中には勿論バスでは進めないので、ここから徒歩で入って行きます。

 

 

 

門をくぐると目の前に見えてきた建物が「シフィドニツァの平和教会」( Churches of Peace in Jawor and Swidnica)である。建てられたのは17世紀で1648年に終結した”30年戦争”終結後であり、その時代に同様な教会が他に2つ造られたがその内の1つは1758年に焼失してしまっている。

残り1つの「ヤヴォルの平和教会」は現存しており、このシフィドニツァの平和教会と共に世界遺産に登録されている。

 

教会の敷地に入って左側に見える、貯蔵庫のような建物は鐘楼で、ある時刻になると鐘が鳴り響くという。

 

この教会の特徴はまずは木造の宗教建築物としては、世界でも最大規模を誇る所。それよりもこの教会が特徴的なので、木造でも釘などの金属を使わずに建てられた所だ。何故そんな建て方をしたのかといえば、この地方はプロイセン王国が支配していてプロテスタント派が主流を占めていたが、先述した30年戦争(ルターに始まる宗教革命で同じキリスト教徒でもカトリック信者とプロテスタント信者が闘った)でカトリック信者のハプスブルク家がこの地を支配する事になった。

 

なお、こちらはここの現地ガイドさん。このシヴィドニツァだけなので、僅か1時間程だけのガイドでしたね。。

 

話は戻るが元々はプロテスタント派の土地をカトリック派のハプスブルク家が支配したが、プロテスタント派の住民がそこそこ居たので特例として彼ら住民の為にプロテスタント派の教会を建てる事を認めたのである。

 

しかし宗教戦争時代、プロテスタント派とカトリックの戦いなのでここを支配したカトリックのハプスブルク家からしたら住民とはいえプロテスタント派は敵なのである。彼らの信仰を認めたものの、敵対する力を持たないようにこの教会を

・鉄や石などを使わずに完全木造建築で建てる事
・城壁の外に建てて、なおかつ城壁内に設置されている大砲の射程距離範囲内に建てる事

などの制限を与えて建設を許した。

 

日本では法隆寺のように完全木造建築とか、昔から金属を使わずに木の素材だけを使って建物を建てるという事はそこまで特別ではないけど当時のヨーロッパ建築物からすると特別であった。

 

建築物のパーツに釘などが使われていると、万が一プロテスタント派が蜂起を起こした際に武器に使われる可能性があるのでそういった危険性を一切排除して造らせたのである。しかしそういった過去の歴史が今となっては、世界遺産に認定される位に価値のあるものになるとは皮肉であろう。

 

教会の前には、この建物のミニチュアがブロンズで作成されたものが置かれていた。

 

宗教戦争の頃に支配されたプロテスタント派がその教会を造れた事というのは、とても稀な事。支配者のカトリック信者がカトリックに改宗しない強情なプロテスタント派の姿勢に折れたのか、それとも裏で何か別に取引があったのか??

 

こちらは2001年にここが世界遺産登録された旨が記されています。

 

そんなミニチュアの台の端っこには色んな言語で文字が入っていた。ヘブライ語なども入っている中、見つけた日本語。「平和をつくり出す人たちは、さいわいである」とあるがちょっと微妙な日本語である。。

 

カトリックの地域で生き残ったプロテスタント派の教会。それに大きく影響したのは、教会が建てられた後の約100年後に再びこの地域がプロテスタント派の支配になった事。キリスト教にあまり馴染みが少ない日本人だけど、ヨーロッパでは同じキリスト教でもプロテスタントとカトリックは全然異質なもの。そしてそれを基に大規模な戦争が起きる位までのものなのである。

 

木造建築物は去年に起きたノートルダム大聖堂の火事のように、一度火が付けば簡単に焼失し易い。木造建築物以外でも色んな歴史的な建造物が落雷などによる火事で焼失してしまったものが多いので、こうやって目の前で見れる事に感謝しなければならない。

 

この平和教会が建てられた時は勿論鐘も禁止だったので、こちらの鐘楼も一番上のパーツは後付けされたような感じにも見える。

 

そんな様子をしっかりと再現している、こちらのミニチュアの模型。

 

この宗教戦争を考えると、元々は同じ宗派の宗教でもいずれは分裂し争いの種にしかならないという事。教祖はそんな事が起きるなんて想像もしていなかったハズだけど、人間はいずれ不満を持ち、自分の為だけに欲望を満たしたくなる生物なのである。

 

そんな歴史的な建物も現在では雨どいが付けられたりで、少しは改装されている様子。

 

でも金属や石などは使ったらダメという事は上部に見える時計も、最初の頃には無かったのだろうか?!

 

こちらの教会は三位一体(父と子と聖霊)の祈りの元で造られた。日本に居るとあまりキリスト教の事を学ぶ機会がないけど、ヨーロッパの観光地を回ると嫌でも勉強せざるを得ない。ヨーロッパの歴史はキリスト教の歴史と言っても過言ではない位である。

 

いつの間にか金金商売となってしまっていたカトリック。それに異議を唱えたルターから生まれたプロテスタント。キリスト教に興味の無い人からしたら一緒くたにしてしまいそうになるが、こちらヨーロッパでは異質なものなのである。

 

ここシヴィドニツァでは他には観光客の姿も見えずに、静かな街の雰囲気。

 

ヴロツワフからは車だけではなく、電車でも約1時間位で来れるらしいけど今の時期はそこまで観光客が押し寄せる時期ではないみたい。

 

平和教会の中に入る

そんな教会の中に入る入口はこちらの年代物のように見える所から入って行きます。

 

こちらが鉄や石などを使わずに組み立てた壁。日本で言う”くさび”を打ち込んでいるのが分かる。木だけしか使えないとなると、それに伴った創意工夫が生まれたのであろう。

 

教会内に入るとまずこちらの記念硬貨を販売している自動販売機が見えた。

だけど木造建築を売りにするこの教会内に、このような木造とはイメージのかけ離れたコイン販売機は設置していて欲しくなかったと思うけど。。

 

まずはこちらのロビーで現地ガイドさんから、あれこれと説明があります。

 

こちらに絵が飾られている人達はこの教会の存続に尽力した人達・・・・のハズ。

 

ここの広間はお土産物屋さんも兼ねていたけど、あまり買いたくなるような物は置いていなかった。

 

最後の晩餐の絵が飾られている。弟子の裏切りを予見したキリストも、後世に自分の推奨した宗教同士で殺し合いをするとは夢にも思わなかっただろうな。。

こんな旅の様子はまた次回に続きます!

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