親子三代で100年掛けて創り上げた、台湾至高の芸術作品「多層象牙球」-台北周遊旅行記7

【充実の台湾北部周遊3日間】2日目

【阪急交通社(トラピックス)ツアー】2019年9月6日~8日

 親子3代で創り上げた逸品とは?!

ここは台湾・台北にある国立故宮博物館。中国で約3000年前に作られた至宝などの中でも選りすぐりの逸品を、蒋介石が中国本土から移送してきただけにどれも素晴らしいものばかりが展示されている。

 

今見学中のコーナーは陶磁器が置かれている。目の前に見えるお皿や壺には、多くの物に龍が描かれている。中国では龍は神獣として古代から崇められてきた。その影響で日本でも龍は崇められている存在なのである。

 

そしてここに描かれている龍の爪部分の本数を見れば、それを所有していた人の位が分かる。5本の爪だと当時の最高位の人間が所有していた事を表す。

 

この時代には描かれる絵の内容も精巧になってきている。そんな風に順を追って見ていくと、その技術力の向上が段々と目に見えて分かってくる。

 

こちらは金魚がグルグルと泳いでいるデザイン。人類の技術はどんどん上がっていくのだが、西洋と東洋の違いが極端に出ている所が面白く感じる!西洋の美術品はキリスト教関連の絵を題材にした物が多いが、中国はキリスト教の影響を受けていないので独自の文化が出来上がってきている事が分かる。

 

 「緑地魚龍図花式瓶」の展示

こちらの瓶の高さは約50cm、黄緑色の釉(うわぐすり)で着色され横には獣のような顔をした取っ手が左右にあります。ただ実際にはこんな大瓶をこの取っ手を持って、万が一それが外れたら怖いのでもし瓶を持つ事があれば下から抱えると思う。。

 

取っ手の無いサイドにはここにも龍が彫られている。そして海からは魚が顔を出して、龍が運んできた雨の恵を受け取ろうとしているようにも見える。

 

これまで見てきた芸術品も凄いのばかりだったが、まだまだこれから凄い物が出てくるのである。ただ芸術品を見るだけではなく、ガイドレシーバーなりで解説を聞きながら見る方が作品が出来上がっていく背景を知れるので、より一層その素晴らしさが分かってくる。

 

ツアーではなく個人旅行で故宮博物館を見学する予定の人には、日本語のガイドレシーバーをレンタルする事をお勧めします。どれだけの時間をここで割けるかは分からないが、解説があるに越したことはないと思うので。

 

西洋のルネサンス期とかもそうだが、こういった芸術品のレベルが向上していく時代の背景には必ずその芸術品製作を後押ししていたスポンサーがいる。

 

そういったお金の使い方はその当時だったら”ムダ使い”としか民には評価されないだろうが、こうやって数百年の時代を経ると”至高の芸術品”などと評価されるのである。

 

中途半端にお金を掛けたものは時代の荒波に消えていくが、途轍もなく費用を掛けたものはそんな荒波にも負けずに時代を超えて人々を魅了し続ける存在になる。

 

そしてここからのゾーンがこれまた凄いものを置いているのである。その中でも一番驚く品物はこちらの壁にパネルがある、ボール型の象牙を加工した作品である。

 

中国で清の時代(17~20世紀初頭)にはより一層芸術品の奨励が行われました。清の皇帝は自分の名声を生涯に渡って残す為に、誰にも作れないような作品を職人に厳命するようになります。

 

こちらは単なるサンゴ・・・・ではなく、象牙を精密に削った作品です。どこからどう見てもサンゴにしか見えない。。

 

 「多層象牙球」の展示

この中国3000年の芸術品が収められている故宮博物館の中でも、特に目を惹き説明を聞くとさらに惹き込まれてしまう作品の「多層象牙球」。何でも親子孫の3世代で伝統の技術を引き継ぎ、約100年を掛けて製作された至宝である。

 

こちらの凄い所はこれが継ぎ目が無く1つの象牙で出来ていて、24層に玉が彫られていてそれぞれに独立して回転するのである。だからマトリョーシカのように中から作れる訳ではなく、 全部外側から掘っていったという事。現代では3Dプリンターが普及し、複雑な構造物が以前より簡単に作れる時代になったがこれを手作業でコツコツとて仕上げたものというのに感嘆してしまう・・・。

 

「多層象牙球」を近くで眺める 動画

 

 

親子孫3代で100年もかかって仕上げられた芸術品、その途中で失敗したらそれまでの努力が水の泡・・・だから孫の代になると相当なプレッシャーがあったハズ。ちなみにこの時代は清の皇帝は世界にも類を見ない芸術品を職人に作らせていた訳だが、当代随一の芸術品が仕上がると他に真似されないようにとその職人を殺していたそうだ。

 

何とも残酷な話だがこういった考えは中国だけではなく、西洋でも同じように考えていた皇帝はそこそこ居たようだ。そして職人にとってはそれが”最も光栄な死に方”と認識されていたらしい。

 

象牙ってのは比較的柔らかくて加工し易い材質。それを使った芸術品が多く作られ、その影響で象牙が貴重品として取引され、大量の象が人類が象牙を欲しい為だけに殺されていったのである。

 

それにしても細かい彫刻で、手作りで作ったという事実を思うと本当に頭が下がる。これは単なる象牙の作品ではなく、職人の血の滲むような執念が込められた作品でもある。

 

ここで完全に中国3000年の文化に頭が下がった・・・台湾にこんな至宝の数々が置かれている事が知らなかったのが恥ずかしいとも思う瞬間でもあった。

 

こちらのおせち料理を入れるような箱も。もはや言葉が何も出てこない・・・。古代中国王朝の生み出した芸術品の精巧な仕上げ技術と、その執念に感服してしまっている。。

 

こんなサンゴの芸術品なんて、中国本土から運んでくる時にとても注意が必要だっただろうな。こんな芸術品ばかりなのでキズ1つ付けただけで斬首刑になっていたかもしれないので、当時の運搬担当者は大変な苦労があっただろうなとも思ってしまう。

 

そういえばエジプトにあるツタンカーメンの黄金マスクも、顎鬚部分を誤って清掃担当者が折ってしまい接着剤でこっそりとくっ付けたという事件があったな。ひょっとしたら、この故宮博物館の作品にもそんなようなものがあるのかもしれない?!

 

ここに置かれている品物達はちゃんと地震対策も出来ているハズ。もし地震が起こって殆どが崩壊してしまったら、大変な事になるのでね。。

 

故宮博物館の様子 動画

 

当時至高の芸術品を創り上げて、皇帝に殺された職人たちもこうやって後世に作品が残り、大勢の人達の目に触れていってくれれば本望であろう。

 

自然が創り上げた天然の芸術品も凄いけど、こうやって人間の造り出した芸術品もそれに負けるとも劣らないように感じる。

 

  ちょっとだけ自由時間!

ここで少しだけフリータイムが与えられます。僅かに15~20分程ですが、好きに回れます。

 

特にどれが見たいというのもないし、書物にもあまり興味がないのでさっき見た「白菜」をもう一回じっくり見たいのでそこへ向かう事に。

 

 再度「翡翠白菜」を眺める!

 

他の作品の凄さを見た後だとこれを見た時の感動も少し引いた感じがするけど、下が白く上が緑色の翡翠の材質を見事に活用した作品である。

 

野菜の形で芸術品を仕上げるなんて、さすが中国3000年の歴史である!

 

その後1階にあるお土産物屋さんに向かう。色んなグッズが置いてあるが、中でも一番人気なのは「翡翠白菜」関連のグッズ。

 

そんなお土産屋さんでも最近のボクが興味を持つのはガイドブックなどである。その中でも日本語で書かれてあった、こちらのゴツイ本を思い切って購入950元(約3000円)なり。

 

前までは買わなかったこういう本だが、最近ではブログ作成用の資料として購入するようになってきた。なので旅行する度に段々と本が増えていくようになってきている・・・。

 

今回は真面目な性格のオカンが一緒なので、集合時間5~10分前までにはその場所に行かないと怒り出す。そういう面では意外とめんどくさい性格・・・最近はいつも1人旅ばかりで他人に気を使わずに行動しているが、誰かと一緒に行く旅行は結構気を使う。。

 

これからの時間も続々と団体観光客がエスカレーターを登ってやって来ているのが見える。半分以上が日本人のツアー団体客、これから混み合うので比較的空いている朝イチからの観光がベストだったのかもしれない。

 

中国3000年の芸術品が収められている故宮博物館を後にして、ツアーに組み込まれているお土産屋さんに寄り道します。

 

 台北のツアー公認お土産屋さんにて

海外旅行時にツアーであまり行きたくない人の意見で多いのが、こういったツアーの日程に組み込まれているお土産屋さんの訪問です。人によっては自分の足で歩き回って、いい品物やいい値段の物を見つけたいタイプの人もいて、好き嫌いが分かれる所。ただツアー好きなボクにとっては沢山試食も出来るし、別に強制的に購入する必要もないので全く問題には思いません。

 

入口で割引券を貰って地下に降りて行くと、大きなフロアが広がっています。ただこういったお土産屋さんで入る時に割引券を貰いますが、大体のお店では会計時に提示する必要はあまり無いのですがここはちゃんと会計時に確認していましたね。

 

高そうなアクセサリー類が置かれている。ただ指輪やネックレスなどには全く興味がないボクは、こういった物には一切惹かれない。

 

今回は日本円で1万円しか両替していなく、あまり買い物をするつもりはなかった。それにさっき本を約3000円で購入していたし、最終日に台北の高層タワーの展望台への入場料も要るのでお金は多少残しておかないといけないし。

 

まずはこちらに全員集められて、まずはブレスレットの説明をこちらのお姉さんが始めるのでそれを聞きます。

 

ここでは「北投石」という、台湾の北投温泉から採取されたもので北投石から放射されるラジウムエマナチオンや微量の放射線が傷ついた遺伝子を修復し、自己免疫性を高めるとして健康志向者には人気の品だそうだ。

 

そんな我々ツアー参加者がお姉さんの説明に耳を傾けている後ろには、販売員の人達が説明を聞いている様子を観察している。

 

この販売員さん達は我々の様子を観察し、誰がどれほど興味を示しているかや誰が買いそうな可能性が高いかなどを短い時間で見分けている。そして誰が誰を攻めるかなども打合せをしているようだ。

 

北投石ブレスレットの説明が終わると否や、すぐに後ろの販売さん達が我々に襲いかかってきた。オカンはこういった商品にはあまり興味がないので、早速逃げ出しボクはというと、とりあえず販売員さんがどういった攻撃を仕掛けてくるかが興味あるのでいつもの受け身で対応。

機械で何か数値を図り、その後北投石ブレスレットを揉んで再度数値を読み取ると、その数値が劇的に変わっていた。それでドヤ顔をして「健康にいい!」と進めてくる販売員さん。ただそれが本当に効果があるのであれば、全員それを身に付けているハズだし、そんなに押し売りしなくても自分から買いに行きたくなるハズ。という事で販売員さんの攻撃を交わしてお土産屋さん内をブラつく事に。

 

商品の横には試食が置いてあって、食べ放題。なのでバクバクと食べてしまう・・・そうしていると販売員さんが寄ってくるも買う気はございませんので。。

 

こちらはマカデミアナッツのチョコレート。これも食べ出したら止まらない・・・という事で引き続きバクバクとチョコのサンプルを食べ続ける・・・。

 

そして台湾名物のお土産【パイナップルケーキ】もピンからキリまで揃っている。高い物は1箱2000円を超える物も置いてあるが、中身はそれなりの内容でただ単純に高いだけではなく品質に見合った値段のようだ。

 

こんな様子はまた次回に続きます!
↓↓↓↓台北周遊旅行記:初回↓↓

オカンと行く台北周遊旅行記ブログ-1 まずはエバー航空に乗ってあっという間に台北に到着編
阪急交通社/トラピックスのツアーで訪れた台湾・台北を訪れた旅行記。なんと今回の相棒はオカン!いつもとは違う雰囲気の出発で、どういう旅になる事やら・・。

【コメント欄】