【チュニジア世界遺産紀行8日間】2日目
【1人参加旅ツアー・阪急交通社(トラピックス)】
バルドー博物館の?!
バルドー博物館見学の続き
こちらのバルドー博物館は2010年から2年間の改築を行い、2012年7月に新装オープンしディスプレイなども一新されたみたい。
床にはモザイクだらけで圧倒されます。
こちらの間は明るい天井窓があるようだ。
壁のモザイクは宮殿を建てられた時に造られたのだろう。
ここの天井はとてもキレイ。明るい採光窓と調和するように白い幾何学模様の彫刻。それとシャンデリア。
これだけ豪華に内装を造っているという事は、それだけ重要な部屋だったのだろうか。
博物館内の様子 動画
端には防弾ガラスで囲まれた石碑のようなものがあります。そのガラスには何故がヒビが入っています・・・何があったのでしょうか?!
この部屋中央の床には、人の顔や動物や魚介類、天秤などのモザイクがありました。
この日のバルドー博物館は他の観光客はあまりいなく、空いていてゆったりと見学する事ができました。
そんな作品より豪華な天井を見上げてしまう。。他の参加者さん達も天井ばかり見ていましたね。
博物館内の様子 動画2
先程の間に一旦戻り、次のブースに向かいます。
チラホラ他の観光客の姿を見かけましたが、僅かな人しか居ませんでした。
壁にあるモザイクは植物の恵みを描いているのでしょうか?壺から派生した枝から、沢山の葉が枝分かれして生えていますね。
上の方にも大きなモザイクが飾られている。後で2階から見れるので、そちらからの方がよく見える。
あまり大き過ぎるモザイクは作品というより、景色に見えてしまうような感じが。。
足元には大きな魚がそこら中に描かれている「魚の道」。
よく池にいる鯉が餌を求めて、集まって来ている光景に近いような・・・。
モザイクもだんだんと大きな作品が増えてくる。年々質と共に大きさも拡大していったのだろうと推測。
こちらは「オデュッセウスの間」で一気にモザイクのタッチが細かくなってきて、人間などの描写がより一層細かく表現されている。
床の絵は魚などが溢れんばかり入った”生け簀”のようにも見える。。
遠くから見ると絵のように見えるが、これも細かいタイルなどを合わせて作ったモザイクである。
こちらはドゥッガ遺跡のとある邸宅から発見されたモザイクをこの部屋に展示しているのである。後日ドゥッガ遺跡にてその現場跡を見る事になる。
壁にも大きなモザイクがあり、神話の世界だろうか?なんだか全然理解できない・・・。
モザイクとひと口に言っても、その技師達が細かい1つ1つの石片に心を込めて動きや表情などを造りだしていっているのである。それを目の当たりにした時の感動は計り知れない。。
このような作品にどれだけの時間を職人が要したかは分からないが、その職人のプライドが込められている事は分かるような気がする。。
「オデュッセウスとセイレーン」
こちらのモザイクはこのバルドー博物館を代表する有名な作品のひとつである。古代ギリシャの吟遊詩人「ホメロス」の叙事詩”オデュッセウス”の一場面を描いたシーンである。
初期のモザイクに比べると、この時代のモザイクはもはや芸術の域に達しているように感じる。
一番左に居る海老を掲げている人は、実は物語には全然関係ない人物でこのモザイクの”スポンサー”だとか。今も昔も芸術には多額の資金が必要でそれを捻出した人のワガママを聞かざるを得ないが為にこの画の端に登場しているのだそうだ。
そう言えばイタリアのバチカンにあるシスティーナ礼拝堂の壁画にも、キリストやモーゼの物語の画の中に全然関係ないスポンサーが描かれていたっけ。。
こちらは地中海沿岸のセイレーンの島付近を航海している様子を描いている。この付近ではセイレーンの妖艶な歌声を耳にすると洗脳されてしまい、この岩礁を無事に通り抜けた者がいなかったがオデュッセウスは船員たちの耳を蝋で固めて、その声を聞こえないようにして突破したのである。ただし好奇心の強かったオデュッセウスはその美しい歌声を聞きたかったので、洗脳されてもいいように自分の体を柱に括り付けにさせたのである。
そういう場面が細かく描写されているこのモザイクに関心してしまう。各人物の表情がリアルで、更にそれら船員が持っている盾1つずつも細かく影まで表現していて、その”こだわり”が約2000年を経過していても伝わってくる作品である。
こちらは竪琴や笛を使って船員を誘惑するセイレーン。「セイレーン」と聞いて想像するのは人魚の外見をしているイメージだが、この叙事詩が描かれたギリシャ時代のセイレーンは海を飛び交う鳥人間だった。その為に羽が生えていて、足は鳥のようになっている。
「オデュッセウスとセイレーン」の様子 動画
こちらの画にも同じようなスポンサーさんの姿が。。芸術といっても所詮は人間の造りだしたものである。その裏側には”人間ならではのエゴ”が隠されている作品も意外とあるのだ。
でもそんな人達が芸術に資金を出してくれたから、これらの芸術作品が今に残る訳であって、こういった支援者が居なかったらこの画は存在していないのである。そう思うとそういう支援者が画の片隅に出演している方が、その芸術の裏側まで見えていいのではないかとまで思ってしまう。。
この時代は紙に絵を描くのではなく、モザイクで表現する時代。
食糧の糧となる動物達にも尊敬を払っていた当時の人々。
上を見上げると大きなモザイクが見えます。上からでないと何が描かれているか、分かりませんね。。
そんなモザイクと共に”ゴージャス”という言葉が似合う豪華な天井裏の装飾。
こちらは海の神「ポセイドン」が画の中心に描かれている。
豊作になるように稲植えのシーズンに祈願していたのだろうか。
博物館内の様子 動画3
すっかりモザイクに麻痺してきたのか、見慣れて床のモザイクも全然気にならないようになってきた。。
幾多の人々に踏まれてきたモザイクは今も輝きを失っていない。
ポセイドンの片手にはトレードマークの三又の矛を持っている。こちらは「ネプチューンの勝利」といって、ネプチューン(別名:ポセイドン)が海馬に乗って勝利を祝うシーンが描かれている。脇にはホラ貝を持ったネプチューンの息子であるトリトンとネレイスを従えている。
「鴨2匹が今晩の夕食ですよ~~!」って言っていそうなお母さん。
「パパは鴨の燻製が一番の好物なんだよ~~!そろそろ海の神様の仕事も疲れてきた・・・」と言っていたかも。。
近くで見ると人物は細かい破片で造られているのが分かる。
昔からワンちゃんは人間に気に入られていたのだろう。
それらの写真を作品間近で撮影する男。
「馬車で走る前から、ちょっと重たいんで降りてもらってもいいですか??」というような表情をしている馬さん。。
ここまで細かく表現しているモザイクは、見ていると想像力を掻き立てられて面白くなってくる!
お次は上の階に登ります。
登った2階にも大きな作品が飾られています。
こんな様子はまだまだ続きます!
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