バルト三国旅行記:5日目
阪急交通社ツアー「バルト3国周遊 8日間」-2019年12月17~24日
3世紀に渡る落書き?!
バルト三国旅行は5日目となり、早くも折り返し地点にやって来ました。でも実質の観光は今日を含めてあと2日半だけ。今日は午前中にラトビアの観光をして、午後は一路エストニアの首都タリンに移動します。
まずは朝食を食べて、今日観光する体力を付けます。ここはラトビアの首都リガにあるエコテルという、ちょっと安価なホテルでしたが朝食ブッフェはそこそこに野菜が揃っていました。
いつもながら2/3以上を野菜で占めた朝食。
朝食開始時間は朝7時30分から。そして出発は一時間後なので、朝食会場オープンと共に押し寄せるツアー参加者さん達。なお、そんなに広い朝食会場でも無かったので、ちょっと出遅れた他の団体宿泊客は朝食会場前で待機していました。そして彼らも出発の時間がある為に「食べ終わった後はなるべく早く席を立つよう伝えて欲しい!」と懇願していました。
このテーブルで向かいに座っていたご夫婦に喋りかけたら、よくお喋りされる奥様に「写真、撮ってあげるよ!」と言われてご厚意に甘える男。久々に寒いヨーロッパに出掛ける今回の旅の為に、ちょっとお洒落というか、デザインが派手な冬服を探して今人気のワークマンまで探しに行きました。
そこで購入したのがこちらの服で、風はあまり通さずに内側はボアになっているので暖かい!しかし内側にシャツを着ていると、その袖がボアに引っ張られて、捲り上がってしまうのが難点ではありましたが。。
「別のポーズもしてみて!」と向かいにお座りの奥様に言われるがままに、撮影に応じる男。。
スィグルダ地方に向けて出発
まだ朝の8時30分なのに、こんな暗がりの景色。12月のヨーロッパは日照時間が短いので、夏場の時期に訪れるのに比べるとちょっと勿体無いように感じる。ただし人気が無い分、旅行代金は安いのであるが。今日は一番最後にバスに乗り込むと、席が無かったので特別に一番前に座らせて貰う事に。
道中の写真や動画を撮りたいボクにとっては絶好のポジションである!
この日は土曜日だったからか、道が空いていた。これから向かうスィグルダの気温は4℃前後で曇りとの事。曇りでも雨が降らないだけマシかもしれない。
暗がりの朝を駆け抜けるバスからの景色 動画
高速道路を走っていると、真ん中の中央分離帯の役割を果たしている芝生の上に「RIGA」の文字オブジェがあったけど、一瞬で通り過ぎたが何とか写真で捉える事が出来た。
ラトビアの首都リガからバスで走る事、約1時間でスィグルダ地方に入ってきました。周辺はあまり民家がなく、木々が生い茂る景色が広がってきます。
スィグルダ地方を走るバスからの景色 動画
このスィグルダ地方にはバルト三国で最古のガウヤ国立公園が広がっている。だから民家などは見えずに森林が広がっていた訳だ。
スィグルダ地方に到着
こちらの案内所兼ショップに隣接する駐車場にてバスを降ります。まずはトイレ休憩&売店の見学です。
辺りは自然だらけで、駐車場にはシーズンオフだからか、車も全然停まっていない。だから空気が綺麗な感じが受ける。
こちらのお菓子は添乗員さんがオススメしていた「苔桃(コケモモ)」のお菓子。外側は甘いので覆われてカリッとしていたが、中身はコケモモの特徴である酸っぱさがあり、味の評価は分かれる。
ボクの口にはあまり合わなかったけど、食べ慣れてくるとそこそこ食べれるようになるような味でしたね。
そんなコケモモのお菓子を2箱提供してくれた添乗員さんだけど、このショップにはこの2箱しか在庫が無かったようでツアー参加者さん達もお土産に買いたかったけど残念ながら買えなかった・・・。
こちらはこの地方名物だという杖のお土産。実際に杖として使うサイズはあまり無く、どちらかというと部屋に飾る用の小さめの杖が置かれていた。
後で訪れるトゥライダ城を描いたスケッチや写真などが売られていたけど、あまり欲しくなるようなお土産は置いていなかった。
こちらはインフォメーションセンターの看板&ロゴマーク?!
トイレ休憩とちょっとした売店の見学を終えた後は、見学に向かいます。この駐車場からは歩いてすぐの場所。
国立公園内だけあって、全然建物は無いし人通りも全然ない・・・。
この辺りでは色んな鳥などの小動物が見られるようだ。ただこの辺りは観光客がそこそこ来る場所だけあって、あまり動物は顔を見せなかったけどね。
これから見学する洞穴まで向かう道にはこのようなクリーク(小川)も見えます。
あまり建物が無いこの周辺でしたが、礼拝堂のような建物はありましたね。さすが宗教深いヨーロッパ人達です。
グートゥマニャ洞穴にて
駐車場から5分程歩いた所で見えてきた、こちらの穴が「グートゥマニャ洞穴」と呼ばれる場所。
この場所は恋人たちの聖地でもあるらしい。でも「こんな人里離れた洞穴に何があるの??」と思ってしまうような場所。
この洞穴は奥行き約19m、幅約12m、高さ約10mと想像していた洞穴よりかは、大きくなかった。
グートゥマニャ洞穴周辺の景色
ただこの洞穴の面白い所は壁にこのように落書きならぬ”落彫り”がされているのである。
というのもこの洞穴は17世紀にこの地方に居た”トゥライダの薔薇”と呼ばれた美女のマイヤという女性が、恋人であるトゥライダの庭師であった青年と密会していた場所なのだ。ただこのストーリーは悲劇で、マイヤは美女だったので、彼女を狙う男が沢山居たのである。彼女を狙う男がこの庭師の直筆の手紙を使い、彼女を騙して洞穴前に呼び寄せた。
ただ恋人との純愛を守る為にマイヤは「この魔法のスカーフは剣で突き切る事が出来ない。嘘だと思うなら試してみなさい!」とその男に言い放った。するとその男は自分に惹かれないマイヤに対してカッとなり、手に持っていた斧をマイヤに向けて振り下ろした。しかし彼女を守るハズのスカーフは無残にマイヤの首と共に断ち切れてしまった。マイヤは他の男よりも恋人の庭師との愛の方を命を懸けて守ったという逸話が残っているという。
そんな純愛ストーリーの影響で、この地を訪れる者達は自分達の名前をこの洞穴に彫り刻むようになったという。
最も古い落彫りは1677年と刻まれいるらしい。まあ昔からこういった落書きのような事をする人間達は存在して訳で、現代人達が色んな遺跡で落書きを残したりしている事もそう考えると特段変な事ではない。まあ逆にこれだけビッシリと彫られていたら、それはそれで迫力が出てくるようにも思える。
この洞穴の奥には湧き水が出ていて、これが先程見えた小川を形成しているようだ。
偉大な功績を残した人間は周りの人達が勝手に名前を残してくれるが、何の功績を残していない人達はこのように自分達で名前を残していかないといけない。ただ名前を残したところで何の功績も成し遂げていない人間なので、もしその名前を見てくれる人が居た所で、その人達の記憶にも残らないだけなんだけど。。
でも落書きをする人間ってのはそんな他人の事までは思慮が行かずに、自分の考えだけで精いっぱいなんだろうけども。
洞穴の横には上に上がれる場所がある。
こちらの看板はそんな美女を奪い取ろうとした、さっきのお話の説明が書かれている。首に巻かれたスカーフが剣などを通さないと、普通に考えたら「そんなバカな!」と思うだろうけど、当時のヨーロッパは魔女狩りが流行っていた頃。
なので”魔法のスカーフ”と言われたその男は信じてしまったのだろうか?!女性は綺麗になりたいと皆思うけど、美女になったらなったで色んな男どもが寄ってくるので大変なんだろう。
「バルト三国で最大の洞穴」と聞いていたから、もっと大きいものかと想像していたけど、ちょっと想像ハズレ・・。ただ恋人たちが密会して、イチャイチャする場所にしては人が少ない場所なので最適なのかもしれないけど。。
そんな洞穴を上の方から眺めてみる。彫られている文字等も結構上の方まで彫られている。あの辺りまで掘ろうと思ったら、梯子を持って来ないと彫れないと思う。
想像ハズレにも思える洞穴だったけど、そんな穴の前で写真を撮るツアー参加者さん達を上から見下ろす。
そしてそんな洞穴の上の方にも、このように文字などが彫られている。こんな高い位置だと、上からロープで吊るされながら掘ったのかな?!
そして更に上に行く階段があったので、試しに上に登ってみる事にする。
他の人達は登ろうとしなかったので、1人で階段を登る事に。そしてここでの自由時間もあまり無かったので、ヨルダンのペトラ遺跡を思い出して駆け足で階段を登って行く事にする。
しかし最初は順調に階段を登って行っていたけど、登れど階段が続いていく景色しか見えない・・・。
そして順調に登っていっていたハズだったけど、ある程度したら足が上がらないようになってきた・・・。まあ普段から全然運動なんてしないし、もう若くも無いので体力の限界を感じた瞬間でもあった・・・orz。
ある程度上に登っていったけど、ゴールが見えないし、無限に階段が続いていくようにしか見えなかったので上に登る事を断念。仕方なしに降りて行くと、後ろに1人だけ付いて来ていた奥様が居た。こんな階段を登ろうとする人はこの方だけだったので、意外とアクティブな人でしたね。
太腿がパンパン状態になって、グートゥマニャ洞穴前に戻ってきたらツアー参加者さん達は全員帰路に着いていた。
全然人が居なくなったので、一緒に階段を登っていた奥様とそれぞれに記念写真を撮り合う事に。
「ラトビアの恋人たちの聖地を制覇したぞ~~!」と、独り叫ぶ男・・・?!
こんな旅はまた次回に続きます!
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