リスボン市内中心部のバイシャ地区の通りを散策して、大道芸人さんにもご挨拶-ポルトガル旅行記54

ポルトガル旅行記:6日目
阪急交通社ツアー「お1人様参加限定:決定版ポルトガル8日間」-2020年1月13~20日

低い位置にあるバイシャ地区

今日はジェロニモス修道院とベレンの塔、更に発見のモニュメントを見学した後はリスボン市内の中心部に移動してきました。こちらの道には通行時に邪魔になりそうな、しゃがんだ形の銅像が設置されていました。

これらの銅像はポルトガルの地面を舗装していた”ポルトガル式歩道(Calçada Portuguesa)”と呼ばれる、伝統的なモザイクのような道で、石を嵌め込んで造る時の様子。しゃがんでいるこちらのオジサンが、石を削って調整して地面に嵌め込むようだ。

 

リスボン市内にて

こちらの通りはリスボン市内中心部のメインストリートでリベルダーデ通り(Avenida da Liberdade)と呼ばれている。リスボン大震災で崩壊したリスボンの街を復興するのに、フランスのパリにある有名なシャンゼリゼ通りをモデルにして19世紀後半に造られたという。一部の市民からは「こんなに広い道が必要なのか?」という疑問の声があったらしいが、今となっては広い道を造ったのは先見の明があったという事。

 

そんなリベルダーデ通りはリスボン中心部へ伸び、テージョ川に突き当たるコルメシオ広場まで続いている。リスボン市内を散策していると、必ず目にする通りである。

 

こちらの建物は今では王立劇場となっている。昔は宮殿があった場所であるが、1755年のリスボン大震災で崩壊したので、その跡地に造られたものである。この王立劇場は昔は庶民は入れずに上流階級の人しか入れなかったという。

 

 

ロシオ駅にて

こちらのファザードがとってもお洒落な建物は国鉄ロシオ駅(Estação Ferroviária do Rossio)。1890年に開業した駅で、ネオ・マヌエル様式と呼ばれる建築スタイルで建てられたもの。

 

元々はリスボンの鉄道駅としてメインの場所であったが、今ではシントラ行きの列車が出るだけで、主役的な役割は他の駅に移ったという。レトロな建物内にはもう世界中のどこにでも見る事が出来るスターバックスの店舗が見える。

 

中央の入口が馬の蹄の形にも見える、お洒落な建築物である。

 

ロシオ広場にて

そしてそんな駅の斜め前にある、この先の広場はロシオ広場(Praça de Rossio)と呼ばれる場所。中世の頃からリスボンの中心部にあった、歴史ある広場である。

 

ロシオ広場周辺を歩く 動画

 

そんなロシオ広場周辺の通りを歩いていると、その広場を囲むように色んなお店が軒を揃えていて、ショーウインドウには甘そうなお菓子が沢山陳列されているのが見える。

 

こちらはポルトガルの伝統的なお菓子である”パステル・デ・ナタ(エッグタルト)”。6個で5.50€と表示されているが、先程ジェロニモス修道院近くで食べた”パステル・デ・ナタの名店の味”には敵わないだろう。

 

しかもその時食べたのは、出来立てほやほやで温かかったし。

 

広場に設置されている、こちらの噴水は19世紀にフランスから持って来られたものだという。

 

先程横から見ていた王立劇場の正面側。「マリア2世国立劇場(Teatro Nacional D. Maria Ⅱ)」という名前の建物で、昔の神殿風のファザードが見える。

 

 

リスボン中心部でも今歩いている地域が低い位置にあり、横の通りの先を見ると坂になっていて、坂の上に向かって建物が伸びていっているのが見える。

 

現代では広場という場所は憩いの場所であるが、昔は日本でも公衆が集まる場所では処刑や晒し首などが一般公開されていた場所である。この近くにあった宮殿で宗教裁判が行われて、そこで死刑となった罪人がこの広場で公開処刑されていたそうな。。

 

こちらの像がある場所がリスボン市内でも一番の待ち合わせスポットであるという。高~~い柱の上に立つ像はブラジル帝国初代国王となり、その後ポルトガルの国王にもなった「ペドロ4世」(ブラジル帝国の国王即位時はペドロ1世という名前だった)である。彼の像はポルトの街の中心部にあったリベルダーデ広場にも置かれていましたね。

 

そんな広場の地面はポルトガル風モザイク画が敷き詰められている。確かに帰ってから写真を見直してみると、だいたいのポルトガルの地面には、アスファルトではなくこのようにモザイクチックな石が敷き詰められていた。

 

ロシオ広場内には、木も植えられているし、噴水もあるしという事で晴れの日にはとても気持ちがいい場所である。

 

ロシオ広場から見える景色 動画

 

ここで信号を渡って、奥の方に進んで行きます。

 

 

フィゲイラ広場にて

ロシオ広場から、1本通りを奥に進むと見えてきた別の広場はフィゲイラ広場(Praça da Figueira)で、昨日の晩に地下鉄を降りて地上に上がってきた時に辿り着いた場所。

 

こちらの広場でも煙をモクモクと吐き出す、焼き栗屋さんを見かけます。ポルトガルでは伝統的に11月11日は「サン・マルティーニョ(聖人マーティン)の日」とされていて、その日には若いポートワインを飲みながらこの焼き栗を食べる習慣があるそうだ。

 

このフィゲイラ広場には昔病院があった場所だが、この建物も1755年のリスボン大震災の影響で取り壊されて、その後広場になった。今では交通の要所となり、リスボン市内を周るバスや路面電車や地下鉄の乗車駅があったりで移動には便利な場所。

添乗員さんからも「奥の丘の上に見えるサン・ジョルジェ城へ行くバスも、ここから乗る事が出来ます」との事。

 

フィゲイラ広場の景色 動画

 

こちらの広場に置かれている騎馬像はジョアン1世である。ジョアン1世と言えばエンリケ航海王子のパパさんでポルトガル王国の基盤を盤石にした優秀な国王であるが、ボクのイメージとしては”美しい女官にキスをしてしまい、妻にバレた情けない王様”となってしまった。。

 

バイシャ地区にて

そしてこの辺りの低い地域はバイシャ地区(バイシャ・ポンバリーナとも:Baixa Pombalina)と呼ばれる、リスボン大震災で崩壊したエリアを免震構造も備えた都市計画で再建された場所である。ポンバリーナと名前があるが、これはバイシャ地区を再建した時の宰相であり都市計画を進めたポンバル侯爵の名前が付けられ、この辺りに建てられている建物はポンバル様式と呼ばれているという。

 

1755年のリスボン大震災で約5~6万人のリスボン市民が亡くなったという。そしてその多くの遺体は埋葬せずに敢えて水葬にして、死体から発生する疫病などを防いだとされている。そんな未曾有の時代にも優秀な手腕を振るったポンバル侯爵のおかげで、今のリスボン市内があるのだ。

 

バイシャ地区の眺め 動画

 

そんなフィゲイラ広場から、再びロシオ広場の方に戻ってきました。そんな広場の脇にある、こちらの宝くじ屋さんでは地下鉄の乗り放題チケットなども販売していて、現地ガイドさん曰く「自販機で買うとたまに不具合があるので、こういった場所でチケットを購入した方がいい」との事。

 

バイシャ地区のメインストリート:アウグスタ通りにて

そしてこれから歩いて行くのは、このバイシャ地区の中でもメインストリートとなっているアウグスタ通り(Rua Augusta)である。この通りは歩行者天国になっていて、レストランやカフェのテラス席やお菓子屋さんやお土産屋さんなどが多く並んでいる、誘惑も多い通りである。

 

するとそんなメインストリートの入口付近で、出迎えてくれたのはこちらの真っ白なお人形さんのような大道芸人と思われる女性。普段からここによく陣取っているそうだ。

 

一応写真を撮らせてもらったので、手前に置かれていたカンカンに1€のチップを入れる。

ただここでじ~~っと座っているのも暇らしく、たまにスマホを触っていた・・・

 

このアウグスタ通りはこの先にあるコルメシオ広場の”勝利のアーチ”に繋がっている。それにしてもリスボン市内中心部だけあって、1月中旬のシーズンにも関わらず大勢の人が集まる場所だった。

 

人だらけのアウグスタ通りを歩く 動画

 

そのアウグスタ通りを中間まで行って右手(西側)を見ると、リスボンのランドマーク的存在のサン・ジュスタのエレベーターが見える。このエレベーター、まだ現役で降りる方はすぐに乗れるけど、昇る側はいつも長蛇の列が乗り場に出来ていて1~2時間は待たないと乗れないそうだ・・・。

 

そしてこちらはよく見かける、ブロンズ像の真似をしている大道芸人も見かける。人によってはピクリとも動かない芸風の人もいるけど、こちらの人はチョコチョコと動いてくれた。こちらでも撮影したので1€の寄付をしときました。

 

ブロンズ像の神父さん 動画

 

そしてそのアウグスタ通りにあったお酒屋さんのショーウインドウには、このようなヴィンテージのポートワインが置かれていた。第二次世界大戦前の年代の物で、1000€を超える値札が付けられていた。汚くなったラベルや埃を被っているのが、視覚的にもヴィンテージワインの価値を上げる為にそのままにされているのかもしれない。

ポートワインのヴィンテージ品でラベルが汚れているのが多いのは、ポルトの街にある「ビラ・ノバ・デ・ガイア地区」というポートワインのワインセラーが多く密集する地域がドウロ川沿いにあり、その川が度々氾濫してボトルが水に浸かった為である。

 

 

こんなお酒1本に1000€(約12万円)以上払ってまで買う人がいるのか?と思っていたけど、今回のツアー参加者さんの中に東京でバーを開いている奥様が居た。その奥様が経営するバーではヴィンテージなお酒も取り扱っていて、お店のホームページを見てみたら1本2600万円のスコッチを味わった事があると書かれていて、後になって驚いたのである。。

 

 

飲んでしまえば無くなるお酒が、高級車以上の値段がする事に愕然とする・・・・。それとこちらではすっかり世界のウイスキーの仲間入りした日本製のウイスキーも置かれていましたね。

 

結局アウグスタ通りは奥まで進まずに、真ん中付近のサン・ジュスタのエレベーターを見た所で引き返す事に。まだ座っている人形さんのようなお姉さんは、じ~~っと座っている間に何を考えているのだろうか?

意外とこのメインストリートを歩く人数を測る、統計調査員だったりして。。

 

そして戻る途中にこれから午後のフリータイムに備えて、24時間リスボン市内の公共交通機関が乗り放題のチケットを買いに行くみたい。

 

こちらがその店内。ボクは昨晩に購入済なので、ここで見物する。ちなみに最近海外旅行すると資料として、現地で日本語で書かれているガイドブックを購入するけど、今回は珍しくガイドブックを買わなかった。というのもあまり街中で見かけなかったし、そんなにお土産屋さんをみっちり見て回る時間も無かったし。。

 

こういうお店でひょっとしたらガイドブックが売られていたかもしれない。右後ろにはそれっぽいのが見えたけど、この時のボクはそんな様子は全然目に入らなかったのである。。

 

軽くバイシャ地区の散策をした後は、再びロシオ広場に停まっているバスまで戻る事に。

 

なお、この辺りを歩いている時も昼間にも関わらず怪しいお兄ちゃんから「ドラッグ?? マリファナ??」と声を掛けられた。ちなみにポルトガルでは近年に個人でのドラッグ少量所持は犯罪に問わないという政策になり「非刑罰化」となったようだ。ただドラッグが合法になった訳ではないけど、それにより薬物中毒者が減ったという。

 

 

そんなマリア2世国立劇場の横には、この銅像が置かれている小さな広場があった。ここはドン・ジョアン・ダ・カッマラ広場(Dom Joao da Camara Square)と呼ばれていて、19世紀に活躍した劇作家を讃えて彼の名前が付けられ銅像が置かれている。

 

そして信号を渡って反対側へ渡り、道を歩いているとロシオ駅内のスターバックスの店員さんが何やらドリンクを配っているのが見えた。

 

タダっぽいので早速頂いてみる事にする。

 

ウインナーコーヒーでカップにはたっぷりのクリームが乗っかっていましたね。

 

こんな旅はまた次回に続きます!

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