ポルトガル旅行記:4日目
阪急交通社ツアー「お1人様参加限定:決定版ポルトガル8日間」-2020年1月13~20日
聖母マリアを慕う大勢の人
ここはポルトガル中部のキリスト教でも聖地化されているファティマの大聖堂内。イベントの時には約10万人近くの人がこの大聖堂がある広場に集結するという。。
ファティマ大聖堂にて
先程この大聖堂の回廊の壁に描かれていた、キリストの苦難の道を順番に見ていったけど、この大聖堂内にも同じような内容のプレートがある。ただこちらは細かい彫刻になっているので、これはこれで見応えがある。
今まで海外で見てきたキリストの苦難の道だが、このように細かい彫刻は初めて見る。
こちらはキリストが神様のパワーを解禁した為に、ローマ兵士達はうろたえているようにも見える。横にはひざまずいた天使が座っているのも見える。肉体を離れた魂を天国に導きに来たのだろうか?!
キリストの死を確認する様子。神の子も十字架磔であっけなく心臓が止まってしまうのであった。
天に召されるキリスト。肉体を抜けた魂のハズだけど、さっきまで裸だったのにいつの間には服を着ているのである。。
キリストの死を嘆き悲しむ、聖母マリアとキリストの弟子12使徒。この弟子たちは全国に散らばるのであるが、キリストの教えを世界中に布教しようとしたとして、当時のエルサレム王などにより捕まり処刑されるのである。
こちらはレリーフの上に、空飛ぶ教皇のような絵が描かれている。
キリストは死後3日後に復活し、その後30日間は奇跡を起こしていき、その後昇天したという。昇天のシーンもこのように天使に纏わり付かれるよりも、北斗の拳でラオウが昇天する時のシーンの方がよっぽどカッコイイのであるが。。
こちらのお墓のような石碑が置かれている所に向かってお祈りする人達が居て、ちょっと写真撮影に遠慮しそうになったけど、思い切って記憶に残す為にも写真を撮るのである。
先程のプレートがあった下の大理石に名前が入っている。こちらは1917年5月13日にこの場所で聖母マリアの奇跡を目撃した少年少女3人の1人であるフランシスコ・マルトの記念碑。
フランシスコ・マルトはその翌年、当時ヨーロッパで大流行したスペイン風邪に罹り10歳という若い年齢で死去した。その後彼の遺体はここに埋葬されたのである。
こちらは大聖堂の主祭壇。奥には小さい子供に何かを伝える、聖母マリアのような姿が描かれている絵が見える。
そして再びまた次のプレートへ進む。こちらは有名な受胎告知のシーンである。
横の角度からこのプレートを見ると、凹凸がよく分かる。聖書では天使ガブリエルが神の子を宿した事実を伝える相手が、聖母マリアとその旦那であるヨセフに伝える2つのバージョンがある。しかし中世の頃に描かれた絵画では殆どの画家はスポンサーから依頼され、そのスポンサーの意向の内容で絵を描かざるを得なかった。
だからしょぼくれた初老の男性に受胎告知する天使よりも、若き女性に受胎告知するバージョンがスポンサーに好まれて、このパターンの絵ばっかりになったのだろう。
イエス・キリストの祖先はダビデやアブラハム、そしてアダムにまで辿り着く家系だという。しかしそれは父方の家系であり、処女で子供を宿した為に男系の血は入っていないのである。
ただこの家系図自体が別に血を実際に引いているというものでもないのかもしれない。その前に絶対実在していないと思われる人達の名前ばかりなので、あくまでもキリスト神話での話になるんだろうけども。。
こちらには1917年に聖母マリアの奇跡を目撃した少年少女3人の残り2人であるルシア・デ・ジェズス・ドス・サントス(Lúcia de Jesus dos Santos)と、フランシスコ・マルトの妹であるジャシンタ・マルト(Jacinta de Jesus Marto)のお墓である。
静まり返った大聖堂内、2階部分には回廊もあるみたいだけど一般には立ち入り出来ないエリアみたい。
再びプレート、こちらは生まれた幼きイエスを祝福し、羊を奉納しているようにも見える。
こちらはこの世に救世主として世を受けた、のちにエルサレムの支配者になるハズだったイエスにわざわざ接見しに来た東方の三博士かな? 彼らは星の位置からイエスの元に辿り着いたとされている。そしてそ当時エルサレム王だったヘロデ王から、その居場所を教えるように言われていたけど、それを無視してマリアにもここを逃げるように伝えて自分達もエルサレムへは戻らなかったという。
ちなみにアニメ『エヴァンゲリオン』の中で出てくる”マギ・システム”で、3つの独立したシステムはそれぞれメルキオール・カスパール・バルタザールと名前が付いている。これはこの東方の三博士の名前とされていて、キリスト教に焦点が当てられているアニメなので、キリスト教の歴史に出てくる名前とかが結構使われているのである。
イエスキリストは大工の仕事に就いていて、小さい頃から神童のような活躍はしていなかったとか。でも神の子として生まれたら、万能な運動神経やIQが200を超える秀才だったようなイメージしかしないけどね・・・。
こちらのステンドグラスはまるでガッチャマンみたいにも見える。。
オリーブ山のゲッセマネでキリストは神に向かって何かを訴える。もうこの頃にはキリストは自分を捕まえようとするローマ兵士の足音が聞こえていたとされている。奥には「絶対に寝てはいけない!」とキリストに言われたにも関わらず、眠気に負けてグ~スカと寝ちゃう弟子の姿も見える。
神に何を伝えたのかは分からないが、大きく抵抗する事なくローマ兵士に捕まるのである。
神の存在とかには興味が無いけど、世界中の多くの人類が約2000年近く信じて多くの芸術も残す事になるキリスト教には最近少しずつ興味が出てきた。なのでただ見ているだけではなく、ちょっとずつキリスト教の知識が増えてきた状態でこれらを見ていくと、また違った目線で見れるので結構楽しい時間である。
そんな風に1人先に大聖堂へ来て、十二分に見学をして帰る際に添乗員さんに連れられて来たツアー参加者さん達とスレ違う。
奇跡にこだわるキリスト教。ここがこれだけ人気のスポットになったのは、ここで聖母マリアが出現したという奇跡の為。そして聖人化される時も奇跡が起こったという証拠が必要なのである。
ちなみに聖母マリアを見たという少女の1人、ジャシンタ・マルトは9歳で他界する。しかしその後2回に渡って掘り起こされた時に、それぞれ共に顔が全く腐敗されていなかった為にそれを奇跡と認定されて聖人化されたという。でもキリスト教の世界では、よくある奇跡の話で、こういう話を聞けば聞く程カトリック内の腐敗した感じしかしなくなってくるのであるが。。
だからツッコミ甲斐のあるキリスト教。今年初めに韓国でコロナウイルスが蔓延し、クラスターとなったのがキリスト系の宗教団体だった。その団体のトップがマスコミの前で土下座して平謝りをしていたけど、ああいう姿を見るとその宗教を私物化していたようにしか見えない。
本来宗教というものは神様の為に祈るものであるので、こういう事態が起こっても「それは神の思し召しである。だから神が悪いと言うのですか?!」と反論すれば良かったのであるが、トップが謝ると全部私利私欲の為にしていたとしか思えなくなってしまうのである。
さっきからこの広い広場の先で、大きな十字架が見えていたので近寄ってみると、このように磔にされた大きな像が設置されていた。
こんな広い広場に10万人程が一気に押し寄せ、皆がミサをあげる光景なんて想像にもできない。。
それにしてもとても大きい十字架。そんな十字架の前に、誰かの銅像も見える。
そんな銅像の正体は世界で一番人気のローマ教皇である”ヨハネ・パウロ2世”だった。聖母マリアが出現し、少年少女3人に託した預言の3つ目が1981年に起こったヨハネ・パウロ2世の暗殺だったという。奇しくも彼が狙われたのは1981年の5月13日は、ここファティマで聖母マリアが最初に出現した5月13日と同じ日であった。
そういう関連性もあって、このヨハネ・パウロ2世の暗殺未遂事件が3つ目の預言とされた。だけど神の使いでもないローマ教皇の暗殺を60年も前にわざわざ預言の言葉を送るなんて、とても不自然に感じる。
ちなみにヨハネ・パウロ2世は銃弾を浴びたが手術を受けて回復する。そして自分を撃った犯人に面会し、彼の行った行為を許したという。そして体から摘出された、この時の銃弾をこのファティマ大聖堂に奉納したという。
この大聖堂辺りのお土産物屋さんを回ってみたけど、添乗員さんの言っていた通りにキリスト教関連の物ばかり。可愛らしい雑貨品とかは全然置いていなかった。。
そんな風にお土産屋さんを探してフラついていたら、途中でちょっと迷ってしまった。このホテル周辺は道が曲がっていたり、斜めに通っていたりするのでちょっとややこしい場所にあるのである。
そして完全に雨があがり、夕食タイムとなる。今回の夕食はホテル内ではなく、近くのレストランとの事。
そしてこちらの修道院みたいな建物に進んで行きます。
こんな旅はまた次回に続きます!
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