ピーター・ティールって何者??

「ピーター・ティール」って聞くと、どんな人か思い浮かびますか?

残念ながら私は全く思い浮かびませんでした・・・。

という事でそのピーター・ティールさんについてお勉強をと。

ピーター・ティール

『ピーター・ティール
世界を手にした「反逆の起業家」の野望 』

著者:トーマス・ラッポルト  訳者:赤坂 桃子

2018年5月6日発行

B6サイズ (128×182mm)   重量330g

315ページ(序文6P,目次8P,本文273P,あとがき3P,引用25P)

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書評

ピーター・ティールは1967年ドイツ生まれでその後アメリカに移住。小さい頃より数学が得意でスタンフォード大学では哲学を専攻。ロースクールを修了し24歳で連邦控訴裁判所で1年働き、その後ニューヨークの大手法律事務所に移る。ここで7カ月を過ごした後、約3年間ニューヨークの投資銀行で働く。その後シリコンバレーでペイパル(決済サービス会社)を立ち上げる。その後ペイパルはイーベイに15億ドルで売却し5500万ドルを手に入れる。

そして自身のベンチャーキャピタル(投資ファンド)とパランティア・テクノロジーズ(セキュリティーデータ会社)を創業。そして多くのベンチャー企業に投資している。

実際ティールは事務官になる機会を逃したことを残念がってはいない。のちに「あのポストをめぐる競争に勝っていたら、僕の人生はもっと悪いものになっていたでしょう」とも述懐している。
最高裁にいたら、自ら新しいものを創造する代わりに、他人の契約やビジネスの問題を扱って人生を終えなければならないからだ。
ティールは学生たちにこう助言する。
「完全に打ちのめされるような失敗をしたとしても、それがどうしたと言いたい。もっとやりがいのある道はいつだって見つけられるんですから」

『ピーター・ティール世界を手にした「反逆の起業家」の野望 』 P33より引用

ピーター・ティール連邦最高裁判所の事務官の面接を受けたが不採用となった。そこで落ち込まず、それをプラス思考に捉える。そしてその後に大手法律事務所で週80時間の仕事をやるも「7か月と3日」で辞める。

「外から見ていると、誰もが中に入りたいと憧れるけれど、中に入ると誰もが飛び出したくなるんです」

『ピーター・ティール世界を手にした「反逆の起業家」の野望 』 P32より引用

難関を突破し入社して遊ぶ暇のない位、猛烈に働かざるを得ない環境。それを乗り越えて競争に勝っても裕福な生活を送れるだけ。しかしその一方で自己の創造性を失ってしまう。

「僕らがペイパルを立ち上げたとき、マックスとこんな会話を交わしたことを覚えています。会社に何があっても壊れない友情で結ばれた、メンバー全員がよい友人である会社をつくりたいってね。
僕らが雇ったのは、もともとの友人たちだけではありません。よい友人になると信じられる人を雇っていったんです」

『ピーター・ティール世界を手にした「反逆の起業家」の野望 』 P55より引用

会社というものは大きな家族のようなもの。そこでは単なる友情だけではなく、信頼できる人間を選ばないといけない。仕事ができるというよりは、”一緒に働きたくなるような人”と。

ピーター・ティール

彼の創業したペイパルからは、現在のシリコンバレーを代表する起業家を次々輩出している。彼らとは固い”絆”で結ばれており「ペイパル・マフィア」と呼ばれ、ピーター・ティールはその首領(ドン)としてその名を轟かせている。

※ティールは中央手前テーブルの左側に座って、あご付近に手を当てている人物

「他人資本の新企業のCEOは、15万ドルを上回る年間報酬を受けとるべきではありません」
役員報酬についてのティールの持論である。年収が30万ドルを超えると「CEOは創業者というよりも政治家」のように振る舞い出し、現状維持に固執するようになり、それは革新的スタートアップの死を意味するというのだ。

『ピーター・ティール世界を手にした「反逆の起業家」の野望 』 P60より引用

起業家は沢山いるものの、その業績を拡大し続けるには難関がある。CEO(最高経営責任者)のモチベーションを保たないとその会社は一気に活力がなくなるという。それには金銭的報酬を与えすぎるのは得策ではない。

「『毎日を人生最後の日であるかのように生きよ』という決まり文句を聞いたことがあるでしょう?でも実際は逆です。『毎日を自分が永遠に生きるかのように生きよ』が正しい。つまり、きみの周りにいる人間を, これからも長くつき合うつもりで扱うべきなんです。きみが毎日下す一つひとつの選択がとても大事です。その結果は時間の経過とともにどんどん大きくなりますから」
ティールはそう語る。彼はこの関連でよく物理学者アルベルト・アインシュタインの話をする。「アインシュタインは、『複利効果』は私たちの宇宙でもっとも強大な力だと言ったとされています。これは金融や貨幣の話にとどまりません。重要なのは、不変の友情や長期的な関係を築くことに時間を投資することによって、人生最高の利益が得られるということです」
ペイパルの成功も、ティールの成功も、根底にあるのは固い友情だ。

『ピーター・ティール世界を手にした「反逆の起業家」の野望 』 P74より引用

ようは固い”絆”を大事に育めということか。厚い信頼はお金では買えない財産である。それを大事にしてきたピーター・ティールはこれだけの成功を収める事ができたのである。

過去に執着するな。なぜ失敗したのかすばやく分析し、後は前を見て方向を修正していこう。

シリコンバレーでは人は失敗によって賢くなると言われている。だがティールによれば失敗は人間をひどく損なう。特に、膨大なエネルギーを注いで新しいことにとりくんだのに、うまくいかなかった場合は。失敗からは新しいスタートアップを興す教訓を引き出すことはできない。

彼は失敗の原因として「人選がまずかった」「アイデアが悪かった」「タイミングを誤った」「独占の可能性がなかった」「製品が狙ったように機能しなかった」の五つをあげている。

『ピーター・ティール世界を手にした「反逆の起業家」の野望 』 P130より引用

超前向き思考といったとこか。彼のスタイルに「競争はするな、それは負け犬がするもの」というのがある。彼曰く「競争からは満足感も充実感も得れなかった」と疲労感しか残らなかったという。そして面子やステータスを基準にして評価しても長続きしない、中身を見て判断をすべきとの事。

最初は外側しか見えないが、大事なのはやっぱり中身ということだ。

そして起業を目指す18~20才の若者に10万ドルを提供している。こちらの出資条件が面白い。それはというと・・・

高校または大学を中退する事!

この発想が面白い。ビル・ゲイツ、スティーブ・ジョブズ、マーク・ザッカーバーグという誰もが知る人間は大学中退者。ティール曰く、「学費の高すぎる」学校で修了する必要性がない事を強調しているようだ。

そして在学中にやるべき事が見つかれば、卒業を待たずにそちらの方向へ進むべきだと説いているのだろう。

ピーター・ティールは多くの人達と違う視点で、違う方向へ進む人間ではあるが誰よりも中身を大事に、そして絆を大事にする人間なのだろう。これまでの業績に目が行きがちではあるが、これからも彼の生き様を色んな人達に伝授し世界をいい方向に引っ張ってくれるであろう。